そこで複数社による検討から選ばれたのが、AMDのVersal AI Edge Series Gen 2である。さまざまなインタフェースとの接続と処理を担うFPGA回路、AIエンジン、アプリケーション処理を行うAPUを搭載しており、消費電力当たりのAI処理性能は前世代の「Versal AI Edge Series Gen 1」の3倍に引き上げられており、高いAI処理性能と一定以下の消費電力と発熱を実現可能になる。
「Versal AI Edge Series Gen 2」の機能[クリックで拡大] 出所:SUBARU
次世代EyeSightでは、Versal AI Edge Series Gen 2からEyeSightで使用しない部分を削減しつつ、ステレオカメラのデータ処理をはじめとするSUBARU向け最適化回路を追加する。これによってコスト削減が図れるという寸法だ。
次世代EyeSightでは最適化によってコスト削減を図る[クリックで拡大] 出所:SUBARU
AMDとの協業体制は複数社による検討を終えた2023年後半から始まっており、現在はSUBARU向け最適化回路の設計を進めている段階にある。まだ、デバイスの搭載位置をステレオカメラユニットにするか、制御ECUにするかなどの仕様は固まっていない。一般向けVersal AI Edge Series Gen 2の量産開始時期が2025年末となっていることから、SUBARU向け製品も同時期に量産されることを考えると、次世代EyeSightは早ければ2026年中に登場する可能性がある。
スバルが次世代「EyeSight」に採用、AMDの第2世代「Versal AI Edge」
AMDは、FPGA回路とCPUを集積したアダプティブSoCの新製品として、車載システムをはじめとする組み込み機器でのAI処理性能を大幅に高めた「Versal AI Edge Series Gen 2」を発表した。第1世代の「Versal AI Edge」と比較して、消費電力当たりのAI処理性能で3倍、CPU処理性能で10倍を実現している。