デンソーは、マルヤス工業との間で、デンソーのカーエアコン用ホース・配管事業譲渡に関する検討を開始することで基本合意したと発表した。
デンソーは2025年11月18日、マルヤス工業との間で、デンソーのカーエアコン用ホース・配管事業譲渡に関する検討を開始することで基本合意したと発表した。
事業譲渡の対象となるカーエアコン用ホース・配管事業は、主にデンソーエアシステムズが開発と製造を担っている。同社は、国内に本社・安城工場(愛知県安城市)の他、御津工場(愛知県豊川市)、長野工場(長野県安曇野市)の3拠点、海外に米国ケンタッキー州、メキシコ、中国の天津と広州、タイの5拠点を展開している。2024年度(2025年3月期)の売上高は747億円、連結従業員数は4676人。
デンソーが1974年に資本参加して以降、デンソーエアシステムズはデンソーのエアコン部門の一翼を担う会社として、車室空間の機能性や快適性の向上に加え、環境に配慮した製品の開発を通じて、車両の省エネルギー化や脱炭素化に貢献してきたという。また、カーエアコン用ホース・配管事業についてはデンソー自身も販売機能と一部の製造機能を担っており、グループ全体で事業を推進してきた。なお、2021年度時点でのカーエアコン用のホース・アルミ配管のシェアは、国内50%、世界15%としている。
一方、マルヤス工業は、自動車部品を中心に、熱交換技術や成型/加工技術を核とした幅広い事業を展開している。特に車両向け配管領域では、吸排気や燃料、冷却水用途など多岐にわたる配管製品を手掛けており、豊富な知見と高度な技術力が強みだ。国内に本社/岡崎工場(愛知県岡崎市)、福受みらい工場(愛知県豊田市)、日名工場(愛知県岡崎市)、御津工場(愛知県豊川市)の4拠点(子会社を含めると13拠点)、海外に米国法人傘下で4拠点、フランス、中国の天津と広州、タイの8拠点を展開している。2025年6月期の連結売上高は1427億円、連結従業員数は4566人。
今回の合意では、マルヤス工業に、デンソーエアシステムズの全株式に加えてデンソーが保有するカーエアコン用ホース・配管事業に関連する機能も譲渡する方向で具体的な検討を進めることになる。
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