横浜市立大学は、コンピュータ断層撮影による細胞外液分画が、心臓アミロイドーシス診断において高い精度を示すことを明らかにした。感度は92.8%、特異度は84.8%だった。
横浜市立大学は2023年12月13日、CT(コンピュータ断層撮影)によるECV(細胞外液分画)が、心臓アミロイドーシス診断において高い精度を示すことを明らかにしたと報告した。CT-ECVの感度は92.8%、特異度は84.8%だった。
心筋の異常は、CT-ECV技術により画像で評価することが可能だ。近年、その有用性を示すデータが多数報告されており、今回はこれらのデータを統合してメタ解析を実施した。メタ解析には、42の論文から抽出した心疾患患者2545例と、コントロール群554例のCT-ECVデータを使用した。心疾患患者には、心臓アミロイドーシス患者161例が含まれている。
心臓アミロイドーシスは、大動脈弁狭窄(きょうさく)症と合併することが知られている。そのため、この2つの疾患を区別することが重要であり、解析はこれらを鑑別する能力に焦点を当てて実施された。
その結果、大動脈弁狭窄症群のCT-ECV値はコントロール群よりも有意に高く、さらに心臓アミロイドーシス群では大動脈狭窄症群よりも著しく高いことが明らかとなった。
日本のCTスキャナー保有台数は多いため、CT-ECVの活用は心臓アミロイドーシスの診断に有用であると考えられる。また、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁植え込み術の術前CTで、心臓アミロイドーシスの合併の評価にも活用可能だ。
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