産業技術総合研究所は、新しいゲノム編集ツール「AalCas9」を開発した。ゲノム配列上の「5’-NNACG-3’」をPAM配列として認識して切断するため、動物細胞や植物細胞において高効率にゲノム編集できる。
産業技術総合研究所は2023年11月30日、新しいゲノム編集ツール「AalCas9」を開発したと発表した。ゲノム配列上の「5’-NNACG-3’」をPAM配列として認識して切断するため、動物細胞や植物細胞において高効率にゲノム編集できる。TOPPAN、インプランタイノベーションズとの共同研究による成果だ。
PAM配列は、Cas9タンパク質が必ず認識するDNA配列だ。TOPPANのDNA情報分析技術を活用し、複数のCas9を調査したところ、深海堆積物から単離された微生物Abyssicoccus albusのCas9(AalCas9)が、5’-NNACG-3’をPAM配列として認識することを発見した。なお、Nは、A、G、C、Tのいずれでも良いことを意味している。
また、AalCas9のガイドRNAのターゲットDNAと相補的な配列の長さおよびステムループ配列を短くした場合、DNA切断の効率が向上した。試験管内での実験や細胞壁を取り除いたシロイヌナズナでは、AalCas9の活性がオリジナルの2倍程度上昇し、既存のゲノム編集ツール「SpyCas9」と同等のゲノム編集活性を示した。
5’-NNACG-3’は、動植物問わず存在する遺伝子配列だ。3者は今後、同ツールを基盤的技術として、生命科学や医学、農業、工業など幅広い分野で事業に展開するとしている。
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