国立健康危機管理研究機構とNECは、医師の電子カルテ操作をAIで支援する技術の有効性を確認した。操作ログから次の操作を予測して画面上に提示する仕組みで、マウス操作時間を約84%削減した。
国立健康危機管理研究機構は2025年11月21日、NECと共同で、電子カルテ操作を支援するAI(人工知能)技術を開発し、有効性を評価したと発表した。医師の操作ログをAIで解析し、次に実行する可能性が高い操作を電子カルテ上にタイル形式で提示することで、電子カルテ操作に伴うマウス操作時間が大幅に減少した。
開発技術には、一連の操作を自然言語の文脈のように処理することで、操作の前後関係を学習するTransformerモデルを活用した。従来の単純な利用頻度ベースの提示と異なり、医師の思考や業務の流れを反映した操作候補を高精度に示せる。評価では、国立健康危機管理研究機構の国立国際医療センターが保有する2年分のログを基にAIモデルを構築し、電子カルテ上での操作時間を比較した。
その結果、電子カルテ操作に伴うマウス操作時間が約84%短縮し、ユーザビリティ改善と作業負荷軽減の効果が確認された。医療現場では医療の高度化や患者数増加に伴い、負担増が課題となっており、業務効率化に寄与する技術として期待される。
NECは、同技術の電子カルテシステム「MegaOak/iS」への実装を目指す方針だ。診療科や病名などの情報も参照し、予測精度向上を図るとしている。
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