新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束間際だった2022年は海外チームのエントリーは見送られましたが、2023年はインドネシアと台湾から2チーム、中国、タイ、バングラディシュから1チームのエントリーがありました。
アジア地域からの参戦は、2004年の第2回大会に参加した韓国の嶺南大学を筆頭に徐々にその数を増し、レベルも急激に向上。2017年には中国のハルビン工業大学がデザイン審査で3位に選出され、2018年と今大会では同じく中国の同済大学が選出されています。今大会ではタイ国立プリンス・オブ・ソンクラー大学が総合成績で10位に、インドネシアのセベラスマレット大学がCAE特別賞を受賞。同じくインドネシアのセプル・ノペンバー工科大学がプレゼンテーション賞とベスト三面図賞両賞の3位に入りました。
3D CADや工作機械などのツールにはもはや国による差はありません。それをどう使ってどんなマシンを作り、大会に挑むのか。さらに海外のチームは日本への渡航や車両の輸送、日本での1週間にわたる滞在……と国内チームよりもはるかに負担が大きいはずです。そんな彼らにもこれからも大きな声援を送りたいものです。
先に記したように2024年から会場が愛知県国際展示場に変わります。2006年から16年に渡って会場となったエコパ、ホームコースともいえる静岡理工科大学のマシンのリアウイングには大きく「ありがとうエコパ」の文字が記されていました。
京都工芸繊維大学はMT-07のエンジンをカーボンモノコックボディーに載せ、3連覇を狙ってくるでしょう。そして名古屋大学は4輪インホイールモーターのマシンを熟成させ、「勝つためのEV」の有言実行、総合優勝を目指してくるでしょう。海外勢の進化も加速、見逃せない大会になること必至です。
新たな会場で新たな熱き戦いが繰り広げられる2024年大会、日程は9月9〜14日に決定しています。すでに活動を始めている多くの学生さんたちにエールを送りながらこのコラムを締めさせていただきます。お読みいただきありがとうございました。
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