筆者 2024年から会場が愛知県国際展示場に変わるものね。自分は昨日知ったのでびっくりしたけど。
藤田さん 私は関西の支部長をしている、いや、やらされている(笑)ので知っていました。一番うれしいのはピットエリアが国際展示場の中になるので空調が効いて涼しいところです。最近では大会中に熱中症で倒れる人が出て、何度か救急車も来ている状態です。
筆者 会場変更はその要素が大きいのでしょうね。では2024年は新しいコースをフルカーボンモノコックマシンで疾走するわけですね。
藤田さん 私はその時にはもう社会人なので、大会に参加するのは2023年で最後です。
筆者 そうやって後輩たちに引き継がれていくんですね。
藤田さん はい。そこが一番難しいところで、約70人のメンバーが毎年3分の1くらい入れ替わっていくのです。それって企業ではありえないことじゃないですか。しかもスポンサーから支援していただいたかなりの金額を使い、勝ち続けて行かなければならない。自分がリーダーだった時にはプレッシャーで押しつぶされそうになりました。
筆者 私が社外取締役を務めているECOMという会社が社員60人なのね。その社長も同じ感覚を持っていると思うよ。
藤田さん スポンサーの経営者の方と話していると、私は経営者にはなれないかなと思います。学生フォーミュラという限られたフィールドではマネジメントしましたが、自ら新たなフィールドを見つけなくてはならないのが企業経営者ですから。
筆者 いや、この経験はきっと役に立つよ。ところでフロントスポイラーに大きくノリタケのロゴがあるけど資金的支援なの?
藤田さん それもありますが、カーボンモノコックについての技術的支援もしていただいています。
筆者 あ、そうか! 熱関係強いものね。
藤田さん はい。今後カーボンモノコック車両でさまざまな検証をしていかなければなりません。PDCAサイクルのC、V字プロセスの右側です。そのあたりでも技術支援をしていただきたいと考えています。
筆者 どうもありがとうございました。常にトップクラスに君臨するGrandelfinoに今後も期待しています!
2023年のリーダーである佐々木さんにはお話を聞けませんでしたが、2020年のリーダーで、それまで単気筒エンジンで勝ってきた実績を覆し、2気筒エンジンへの変更を決断した藤田さんとのやりとりは実に熱いものになりました。
京都工芸繊維大学は全審査の結果、動的/静的双方でトップを獲得、文句なしの5回目の総合優勝で連覇となりました。2022年3位の日本自動車大学校が準優勝かつ過去最高順位と奮闘、エンジンはやはりヤマハ発動機のMT-07の2気筒エンジンが強いです。3位には岐阜大学が2022年の15位からジャンプアップ、2024年は1桁ゼッケンに返り咲きます。エンジンはスズキ「GSXR600」の4気筒です。EVの最高位は先にお知らせしたように名古屋大学の15位でした。
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