Matterでスマートホームは変わる? 光量子コンピュータおじさんに感じるSF的未来組み込み開発 年間ランキング2023(1/2 ページ)

2023年に公開したMONOist組み込み開発フォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位に輝いたのは、スマートホームの標準規格「Matter」の解説記事でした。

» 2023年12月25日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 毎年恒例となりました組み込み開発フォーラムの年間ランキング記事です。2016年から始まって8回目となりました。

 2022年の年間ランキング記事は、2021年から引き続き1位が半導体不足2位がリコーのPFU買収3位が精力的に寄稿していただいている今岡通博氏の記事という内容でした。

 2023年に入り半導体不足はあまり話題にならなくなっていますが、それでもサプライチェーンに対する不安感は依然として残っています。ここ数日で話題になっている紅海での商戦襲撃のことを考えると、コロナ禍で半導体不足と併せて問題になったコンテナ不足のようなことがまた起こるとも限りません。

 MONOist内での年間ランキング記事では2021年、2022年とトリを飾ってきましたが、今回はトップバッターです、本日以降公開される各フォーラムの年間ランキング記事もぜひお見逃しなく!

⇒MONOist年間ランキングのバックナンバー

 それでは、2023年にMONOist組み込み開発フォーラムで公開した記事のランキング(読まれた回数)ベスト3とトップ10、そして(編集担当が)興味深かった記事を幾つか紹介したいと思います。

1〜3位を発表!

 第1位に輝いたのは、『スマートホームのゲームチェンジャー「Matter」とは何か」』でした。

Matterとは? Matterとは?[クリックで拡大] 出所:アクセルラボ

 Matterは、スマートホーム機器の安全性と信頼性を担保するとともに、IoT機器としての利便性を阻害しないシームレスな利用を実現するためにCSA(Connectivity Standards Alliance)が策定を進めている標準規格です。2022年10月に、規格のバージョン1.0に当たる「Matter 1.0」がリリースされ、CSAに加盟するアマゾン(Amazon.com)、グーグル(Google)、アップル(Apple)など、スマートスピーカーやスマート家電を展開する企業が続々と対応を進めています。

 本記事は、このCSAの標準化仕様を策定できるメンバー(パーティシパント)として加盟した国内スマートホーム機器ベンチャーのアクセルラボの解説を基に書き起こしたものです。記事を公開した2023年2月以降もMatterに関する動きは活発で、アマゾンの日本法人がMatter準拠デバイスとの連携推進を発表したりCSAがスマートロック版のMatterといわれる「Aliro」を発表したりしています。今後もMatterの動向には要注目ですね。

パナソニックHDの有機CMOSイメージセンサー パナソニックHDの有機CMOSイメージセンサー[クリックで拡大]

 第2位は「パナソニックが開発をリードする有機CMOSイメージセンサーは何がすごいのか」でした。パナソニックの半導体というと今では売却して既に社内にない事業というイメージが強いかもしれませんが、2000年代はデジタル家電用のシステムLSIの「UniPhier(ユニフィエ)」などが業界を席巻したことをご記憶の方もいるかもしれません。そしてイメージセンサーもそれなりの事業規模があり、CCDとCMOSの特徴を併せ持つ「νMaicovicon(ニューマイコビコン)」なども展開していました(もはや何かも懐かしい……)。

 本記事では、パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)の研究開発部門で開発を進めてきた有機CMOSイメージセンサーについて開発担当者にインタビューしています。2009年にソニーが商品化した裏面照射型CMOSイメージセンサーが現在ではイメージセンサーのデファクトスタンダートになっているわけですが、さらに性能を飛躍的に高める技術として注目されているのがこの有機CMOSイメージセンサーです。半導体やイメージセンサーから撤退したパナソニックが、そんな次世代技術で先行するとなれば面白いですよね。今後の展開に期待しています。

 そして第3位に入ったのもイメージセンサーネタで「ソニーのイメージセンサーは車載分野が新たな柱に、金額シェアで25%に到達」でした。

 本記事は、ソニーグループが2023年5月に行った「事業説明会 2023」からイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の事業戦略を紹介しています。今やゲームや映画、音楽、金融など非製造業のイメージが強いソニーですが、製造業として国内でのモノづくりをけん引しているのはイメージセンサー事業と言ってもいいでしょう。第2位の有機CMOSイメージセンサーの記事でも言及した通り、裏面照射型CMOSイメージセンサーの投入によってでソニーはトップシェアを獲得したわけですが、事業構造的には長らくスマートフォン向けの一本足打法が長く続いています。

 そこでスマートフォン向け以外の市場開拓に取り組む中で成果が出つつあるのが車載向けです。AD(自動運転)やADAS(先進運転支援システム)向けの車載カメラでは、グローバルトップ自動車メーカー20社との2025年度時点の取引が85%に達する見通しです。車載イメージセンサー市場の金額シェアでも2022年度時点で25%となり、2025年度には39%となる見込みです。2016年10月にデンソーがソニー製イメージセンサーの採用を発表してから約7年が経過しますが、ついに新たな柱として確立されてきた印象です。

ソニーの車載イメージセンサーの金額シェア目標 ソニーの車載イメージセンサーの金額シェア目標[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

 第4〜10位については、以下のランキング表から記事内容を確認していただければと思います。


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