デンソーは、運転支援システムなどに用いられる車載用画像センサーにソニー製イメージセンサーを採用することで、夜間の歩行者認識が可能になったと発表した。
デンソーは2016年10月25日、運転支援システムなどに用いられる車載用画像センサーにソニーセミコンダクターソリューションズ製イメージセンサーを採用することで、夜間の歩行者認識が可能になったと発表した。日本や欧州の自動車アセスメント「NCAP(New Car Assessment Program)」の安全性能評価基準では、自動ブレーキによる衝突回避の対象に夜間の歩行者を加えることを検討しており、今回開発した画像センサーはこれに対応している。
ソニーのイメージセンサーといえば、スマートフォンやデジタルカメラなどに「Exmor」ブランドCMOSイメージセンサーが広く採用されている。同社は裏面照射型のCMOSイメージセンサーを世界で初めて実用化したことでも知られており、高感度で光量の少ない夜間でも正確に被写体を撮影できるため、監視カメラなどにも採用されている。
今回デンソーは、ソニー製イメージセンサーを用いて、車載用としての品質(搭載性、耐熱性、耐振性など)を向上させ、車両搭載を可能にした。また、画像処理についても、ソニーの画像処理装置(ISP:Image Signal Processor)を活用して、夜間の歩行者を認識しやすく撮影することを目的に、ノイズリダクションとカメラ露出の設定を最適化し、認識性能を向上したという。
ソニーは2014年10月、車載品質をクリアした車載CMOSイメージセンサー「IMX224MQV」を発表している。同社のCMOSイメージセンサーとしては初の車載対応品となる。IMX224MQVは、闇夜に相当する低照度0.005ルクスの環境においても高画質なカラー映像の撮影が可能なことをうたっており、2016年5月から量産を開始していた。今回デンソーが採用したのは、このIMX224MQVである可能性が高い。
車載CMOSイメージセンサー市場は、2015〜2020年にかけて年平均55%の市場拡大が見込まれており、2020年時点で22億米ドル規模に達するとみられている。この成長著しい市場では、オン・セミコンダクターやOmniVision Technologies(オムニビジョン)のシェアが高く、ソニーは存在感を示すことはできていない。今回のデンソーの採用をきっかけにすれば、シェアを拡大できる可能性がある。
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