マツダの5月のグローバル生産台数は、前年同月比39.9%増の8万1617台と、4カ月連続で前年実績を上回った。主力の国内生産は同47.3%増の5万1040台と、4カ月連続のプラス。前年が中国のロックダウンの影響で部品調達に支障をきたし、広島工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)で稼働停止を実施した反動が表れた他、代替え部品の確保が奏功した。
ただ、コロナ禍前の2019年5月との比較では38.7%減という水準で、生産能力を考慮すると本格回復には程遠い状況といえる。車種別では主力の「CX-5」が同32.8%増、「マツダ3」は同171.3%増、「CX-30」は同11.6%増だった。
海外生産は、前年同月比29.1%増の3万577台と4カ月連続で前年実績を上回った。タイは、前年4月に生産を開始した日本市場向け「CX-3」が増えたことで、同13.4%増と2カ月ぶりのプラス。メキシコは、前年に12日間の稼働停止を実施した反動で同112.2%増と大きく伸長。さらに前年1月から操業を始めた米国工場が稼働率向上により同149.8%増と増加し、北米トータルでは同119.4%増と倍増し、12カ月連続で増加した。中国は新型車「CX-50」の生産が加わったものの、マツダ3などの在庫調整により同44.3%減と、2カ月ぶりのマイナスだった。
半導体不足の緩和により着実に回復しているのがSUBARU(スバル)だ。5月のグローバル生産台数は、前年同月比25.0%増の8万354台と4カ月連続で増加した。8社の順位でも三菱自動車を上回り7位で、6位のマツダとの差は1263台まで迫っている。ただ、コロナ禍前の2019年との比較では10.9%減と、半導体不足の影響が残っている様子が伺える。
このうち主要拠点の国内生産は、前年同月比24.1%増の4万9790台と4カ月連続で増加。輸出も同15.2%増と4カ月連続のプラスだった。唯一の海外拠点である米国生産も同26.5%増の3万564台と4カ月連続で増加した。
三菱自動車の5月のグローバル生産台数は、前年同月比15.8%増の7万4939台と3カ月連続の増加となった。2桁パーセント増を確保したが、中国のロックダウンなどで前年実績が低迷していた反動によるもので、コロナ禍前の2019年比では25.9%減と振るわない。8社の順位でもスバルを下回り最下位だった。国内生産は、同25.4%増の3万1538台と6カ月連続で増加した。軽自動車EVの「eKクロスEV」および日産向けOEM「サクラ」の他、販売好調な新型車「デリカミニ」がけん引。輸出も同62.1%増と貢献した。
バラつきが目立ったのが海外生産だ。主要地域の東南アジアは、最大拠点を構えるタイが前年同月比11.2%減と伸び悩んだものの、インドネシアは同94.4%増と倍増した。さらに中国は、2022年12月に投入したばかりの新型「アウトランダー」が深刻な販売不振に陥る事態となっており、4月から中国での生産を停止している。なお、三菱自は中国でのアウトランダー販売不振に伴い、2022年度決算に営業外費用で121億円、特別損失で105億円の計226億円を計上している。その結果、海外生産合計は同9.7%増の4万3401台と3カ月連続のプラスを確保した。
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