富士フイルムは、各機能性フィルムを所管する3部署を統合した「マテリアル生産本部」を新設する。また、国内5社を統合した高機能材料の主力生産会社「富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング」を発足させる。
富士フイルムは2023年5月25日、高機能材料領域の生産力を強化するため、同年7月1日付で「マテリアル生産本部」を設立すると発表した。また同日付で、国内生産子会社5社を統合し、新会社を発足させる。
マテリアル生産本部は、各機能性フィルムの生産戦略の立案などを所管する「材料生産本部(対象製品はインスタントフィルムやX線フィルムなど)」「ディスプレイ材料生産部(液晶および有機ELディスプレイ向けフィルム)」「記録メディア開発センター(磁気テープ)」の3部署を統合した組織となる。
マテリアル生産本部では、高度な製膜、塗布技術を生かした機能性フィルムの生産技術を開発する他、新製品の効率的な量産化、DX(デジタルトランスフォーメーション)導入による製造プロセスの改革、カーボンニュートラルに対応した生産体制の全体戦略のプランニング、実行を担う。生産技術基盤をより強固にするため、製膜や塗布、ナノ分散に関する技術などのさらなる高度化も目指す。
マテリアル生産本部の設立とともに、同社は国内の生産子会社5社を統合した「富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング」を発足させる。統合するのは、富士フイルムフォトマニュファクチャリング、富士フイルムメディアマニュファクチャリング、富士フイルム静岡、富士フイルムオプトマテリアルズ、富士フイルム九州の5社。新会社は、従業員約3260人を擁する高機能材料の主力生産会社となる。
今後、富士フイルムは、今回設立する新組織、新会社の下で連携を強め、「モノづくり力」のさらなるブラッシュアップと応用展開を図っていく。また、脱炭素技術による環境に配慮した取り組みも進めていき、2040年度までに、自社の消費エネルギーから排出されるCO2をゼロにする施策を加速させる。
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