半導体需要に合わせCMPスラリー生産の設備増強、富士フイルムが熊本県で工場ニュース

富士フイルムは2022年9月8日、電子材料事業拡大のため、最先端半導体材料に対応した生産設備を熊本県に新設すると発表した。投資金額は約20億円。

» 2022年09月12日 07時30分 公開
[MONOist]

 富士フイルムは2022年9月8日、電子材料事業拡大のため、最先端半導体材料に対応した生産設備を熊本県に新設すると発表した。投資金額は約20億円。

 電子材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが、熊本県に立地する生産子会社である富士フイルム九州(熊本県菊陽町)に、半導体製造プロセスの基幹材料であるCMP(Chemical Mechanical Polishing)スラリーを生産する最新鋭設備を導入する。2023年4月に着工し2024年1月の稼働を予定する。富士フイルムとしては国内初のCMPスラリー生産設備となる予定だ。

 CMPスラリーは、硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平たん化する研磨剤で、富士フイルムでは、米国、台湾、韓国にCMPスラリーの生産拠点を保有している。今後、世界4拠点の生産体制の下、CMPスラリーの安定供給を実現しビジネス拡大を図る。また、研磨後の不純物を取り除くポストCMPクリーナーを持つ強みを生かしたトータルソリューション提案を進めていく。

 富士フイルムでは、CMPスラリーやポストCMPクリーナーだけでなく、フォトレジストやフォトリソ周辺材料、ポリイミド、イメージセンサー用材料などの幅広い製品ポートフォリオで、電子材料事業の持続的成長を図るとともに、半導体産業のさらなる発展に貢献する方針だとしている。

 熊本県では、台湾のTSMCが過半の株式を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社」が菊陽町に進出し、半導体ファウンドリーとして2024年に生産を開始することを発表しており、半導体関連投資の拡大が目立っている。

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