NTNは耐環境性に優れ、高精度な角度検出が可能な「複列磁気エンコーダー付き転がり軸受」を開発したと発表した。2022年11月8〜13日に東京ビッグサイトで開催される「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」に参考出展する。
NTNは2022年11月4日、耐環境性に優れ、高精度な角度検出が可能な「複列磁気エンコーダー付き転がり軸受」を開発したと発表した。同年11月8〜13日に東京ビッグサイトで開催される「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」に参考出展する。
少子高齢化による労働人口の減少で、ロボットなどを活用した自動化、省人化が幅広い産業分野で急務となっている。それに伴い、ロボットには動作精度の向上に加えて、関節機構の部品点数や組立工数の削減、各種部品の小型化、軽量化などが求められている。
NTNが開発した複列磁気エンコーダー付き転がり軸受は軸受と磁気式エンコーダーを一体化した軸受ユニットで、ロボットの関節機構を支持する深溝玉軸受に磁気リングとセンサーを取り付け、回転速度や方向、絶対角の検出機能を持たせた。
軸受の内輪にNTN独自の「複列磁気リング」を取り付けた。複列磁気リングはリング部材にゴム磁性体を複合成形した後、極数の異なる2列の磁気トラックをゴム磁性体に着磁させた複列磁気エンコーダーと磁気センサーで構成される。複列磁気リングの磁極の変化を、外輪に搭載した磁気センサーICで読み取ることで、業界最高水準の角度検出精度(最大20bit、分解能約0.00034度)で回転の速度や絶対角などを検出する。
フォークリフトなどの運搬機械向けに展開している回転センサー付き軸受で培った軸受と回転検出部の一体化技術を活用することで、複列磁気リングと磁気センサーICの間隔や向きなどを最適化、コンパクトかつ軽量なユニットを実現した。
複列磁気エンコーダー付き転がり軸受を適用することで、関節機構の軸とロータリエンコーダーをつなぐ動力伝達装置(カップリング)が不要となり、関節機構の小型化、軽量化に貢献する他、軸受と磁気式エンコーダーを一体化しているため、ロータリエンコーダーとカップリングの取り付けやセットアップ作業がいらず、ロボットの組み立てが容易となる。
また、軸受寸法や負荷容量は通常の軸受と変わらず、幅広い種類のロボットに適用できる。ほこりや油などが伴う使用環境においても、高い検出精度を発揮する。
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