クックラー博士へのインタビューと同日、IMTSと並び、世界三大工作機械展示会に数えられる「JIMTOF(日本国際工作機械見本市) 2022」について、主催者の日本工作機械工業会と東京ビッグサイトから開催概要が公開されました。JIMTOF 2022は2022年11月8〜13日に東京ビッグサイトで開催される予定です。
JIMTOF 2022のコンセプトは「Open the door to the future - Meet the technologies moving the world forward.(開かれる扉(ミライ)、世界を動かす技術の出会い)」です。プレスリリースでは国内メーカーの設備投資額は上昇傾向であり、工作機械の受注実績が活況であることを説明し、国内マーケットの魅力を訴求しました。
国内外の出展予定社数は、2022年9月13日時点で合計861社で、その内、海外企業の出展は73社と公表されています。前回開催のJIMTOF 2018は来場者数約15万人で、満足度は「期待以上・期待通り」が約97%と活況でした。コロナ中断明けのJIMTOF 2022でも、できる限りその水準に近づけることを目標にしているようです。IMTSの会場でもQ&Aが活発に行われ、IMTS 2022以上に新製品や新技術の発表にフォーカスする方針であること、日本国内への渡航要件が緩和されたことなどが話題にあがりました。
IMTS 2022では多くの国内メーカーが認知度向上や商談創出などの有益なマーケティング効果を狙って活動を展開しています。
例えば三菱電機の米国法人は「Innovative Solutions for a Resilient and Sustainable Future(回復力があり、持続可能な未来を実現する革新的なソリューション)」をテーマに、MESインタフェース、SCADA、MTConnect準拠製品などを統合した製品ポートフォリオの認知度向上に努めています。またIMTS 2022に初出展した太陽ケーブルテックは、日本貿易振興機構(JETRO)の商談アレンジサービスを活用してバイヤー候補のリストアップやブース誘致を行い、商談創出にトライしています。
ところで、筆者はIMTS 2022のような海外展示会への参加は、単にビジネスチャンスを創出する以上の何かを得る機会になるのではないかとも感じています。米国製造技術協会(AMT)でCXO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)を務めるピーター・エルマン氏は、「IMTS主催者として採算は意識する一方、コロナ禍で希薄になりつつある参加者間のつながり維持や再構築に注力したい」と強調しました。
IMTS 2022では出展者も参加者も国籍、人種、年齢、性別も異なる人たちが活発に意見交換しています。ある人は展示を見てビジネスに思いを巡らせ、またある人は知識を蓄えていることでしょう。歩き疲れて夜の飲み会で頭がいっぱいの人もいるかもしれません。こうしたある種、多様な人間の経験が交差している空間に身を置くことで、人々のつながりは国境や会社をまたいでするっとつながっていくのだと感じました。海外展示会への参加に非日常感を覚える人もいるかもしれませんが、そういう機会を自分で作り、自ら飛び込んでいくことも時には大事だと考えます。
さて、速報内容にプラスして筆者の所感を書いてきましたが、最後に本稿の内容をまとめます。
IMTS 2022速報レポートは以上です。最後までお読みくださりありがとうございました。皆さまの日頃の活動に少しでも役立つと感じていただければ幸いです。
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