「実用段階」目指す積層造形技術の出展数が2倍に、IMTS 2022速報レポートIMTS 2022(2/3 ページ)

» 2022年09月15日 10時00分 公開
[鹿内健太郎MONOist]

日本メーカーも「目立つ場所」に

 展示会では「会場のどこに出展したか」がとても重要です。参加者側はメーカーの出展場所でどのくらい存在感を発揮しているか判断しますし、目立つ位置に出展できればその分メーカーはマーケティング効果を期待できます。

 IMTS 2022のメインゲートにあたる南館最前列は、国内メーカーではヤマザキマザック、オークマ、ジェイテクト、アマダ、安川電機が、米国メーカーではハース・オートメーションとユナイテッド・グラインディング・グループがブースを構えています。ハノーバーメッセUSAや品質保証(Quality Assurance)関連の出展が集まる東館では、三菱電機とTHKが広いブースを設けています。COVID-19拡大を受け、マーケティング施策はオンラインを重視する傾向が強まっていますが、日米大手メーカーがコロナ中断明けでも目立つ出展場所を確保しているという意味で、“メンツ”を保っているといえます。

南館の金属除去(Metal Removal)エリア[クリックして拡大]
同じく南館の金属加工(Fabricating & Laser)エリア[クリックして拡大]
東館のハノーバーメッセUSA、品質保証エリア[クリックして拡大]

ドイツメッセはCOVID-19を受け戦略を微調整

 IMTS 2022の2日目、ハノーバーメッセを主催するドイツメッセ CEOのヨッヘン・クックラー博士(Jochen Köckler)に、同社が運営するメッセの今後について話を伺いました。同氏は農業経済学の博士号を取得した1999年から現在まで、展示会の運営側の立場でメーカーと関わってきました。以下で、箇条書きで恐縮ですが、クックラー博士のお話の内容を簡易にまとめます。

  • 歴史を振り返ると、ブレークスルーはどの時代も一か所で起こるものだ。オリンピックのように数年に一度の開催である展示会や産業見本市などでは、各社がしのぎを削って開催日のために準備を行っている。私たちは運営を維持してメーカーの発展に貢献する義務がある。だが一方で営利団体でもあり、世の中の動向や出展企業、参加者の要望を踏まえて運営を進めていく
  • 今後数年間で、ウィズコロナ時代におけるハノーバーメッセの運営体制を固める。2022年はオンラインも活用したハイブリッド開催としたが、まだ試行錯誤は続くだろう。その上で、新しいトピックの見本市を展開したい。不動産分野は興味深い。小さな単独開催にするか、他団体と共同開催するかを含めて検討していく
  • ハノーバーメッセの開催地は北米や中国、オーストラリアからは遠い。米国やシンガポールなどでは開催が実現しているが、今後は地域を増やして出展、参加のハードルを下げる必要がある
ドイツメッセCEOのクックラー博士[クリックして拡大]

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