日本インジェクタが2025年末で操業停止、三菱電機とボッシュが電動化見据え判断製造マネジメントニュース

三菱電機は2022年9月1日、ロバート・ボッシュとの間で合弁会社である日本インジェクタの操業を2025年末までに停止し、その後解散することに合意したと発表した。自動車の電動化シフトに伴う、インジェクタの需要縮小を見据えた判断だとしている。

» 2022年09月05日 10時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 三菱電機は2022年9月1日、ロバート・ボッシュとの間で合弁会社である日本インジェクタの操業を2025年末までに停止し、その後解散することに合意したと発表した。自動車の電動化シフトに伴う、インジェクタの需要縮小を見据えた判断だとしている。

 日本インジェクタは1986年に三菱電機、ロバート・ボッシュ、ミクニが共同で設立した企業である。本社は神奈川県小田原市に位置する。資本金は24億円で、現在の出資比率は三菱電機が50%、ロバート・ボッシュが50%となっている。2021年12月期の売上高は約70億9700万円。

 日本インジェクタの従業員数は216人。既に同社の労働組合と従業員に対し解散と清算の決定に関する説明を終えている。従業員の今後の雇用に関する諸施策について、三菱電機、ロバート・ボッシュの両親会社と連携の上、労働組合と協議を開始する予定だという。

 日本インジェクタでは、エンジン内にガソリンなど燃料を噴射する部品であるインジェクターを製造している。同社のWebサイトでは、これまでにトヨタ自動車やホンダ自動車、マツダ、ダイハツ工業など多数の自動車メーカーに製品を納入してきた実績が紹介されている。創業以来、国内外の顧客に向けて3億本を超えるガソリンエンジン用インジェクタを供給してきたという。

 今回の決定は、自動車業界が世界中で電動化を進めており、今後、内燃機関向けのインジェクタの需要縮小が予想されるためだとしている。こうした市場環境の変化に応じて生産の最適化を図るため、現在日本インジェクタが手掛けるガソリンエンジン用インジェクタの生産を、各国の独占禁止法当局から許可を得た後に、ロバート・ボッシュが持つタイのへマラート工場に段階的に移管していく計画だ。

 移管は2023年からを予定する。へマラート工場について、三菱電機は、アジアにおけるポート噴射式ガソリンエンジン用インジェクタの主力製造工場としての操業が期待されるとしている。

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