3D図面そのものの運用として考えた場合はどうでしょうか。リビジョン(改訂)に関しては、“図面番号=データファイル名”として見たとき、データファイルは上書きされるものの、これを基に描かれた2D図面を見れば改訂であることを理解できます。しかし、3D図面については改訂後の内容に上書きされてしまうため、過去にさかのぼって確認することはできません。
バージョン(版)に関しては、データファイル名をバージョンによって変更するのであれば、別のものとして管理されることになります。初版や他のバージョンを見ることはできますが、これらの版の関連性を3D図面から読み取ることはできません。2D図面の注記などにベースとなった図面番号を記載することで、その関連性を表すことは可能ですが、現実的なやり方とはいえません。
例えば、SOLIDWORKSでは、コンフィギュレーション(Configuration/構成・構造・形状管理)によって、バリエーション管理を行うことも可能ですが、企業によっては“1図面=1データファイル”という原則もあるため、適用できないケースが考えられます。
また、同一部品番号で異なるバリエーションの部品を管理することは、アセンブリの中でどのバリエーションの部品を使用したのかという区別が単純に図面番号からは分からないため、3D CAD単体でバージョン管理するのは難しいといえます。
3D図面運用上のリビジョン管理/バージョン管理の問題
・上書きされた図面ではさかのぼって改訂内容を見ることができない!
・各版の関連性を確認することができない!
こうした理由から、シーン2のような問題が生じたといえます。
ここで、ようやくPDMの出番となります。PDMであれば3D CAD単体では難しかったリビジョン管理/バージョン管理が可能となります。PDMでの3D CADデータ管理のイメージは以下の通りです。
次回は、このPDMの流れについて詳しく説明したいと思います。お楽しみに! (次回へ続く)
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