デジタルツインを実現するCAEの真価
連載
» 2022年05月17日 07時00分 公開

トポロジー最適化のチェッカーフラグ対策フリーFEMソフトとExcelマクロで形状最適化(9)(1/6 ページ)

原理原則を押さえていれば、高額なソフトウェアを用意せずとも「パラメトリック最適化」「トポロジー最適化」「領域最適化」といった“形状最適化”手法を試すことができる! 本連載ではフリーのFEM(有限要素法)ソフトウェア「LISA」と「Excel」のマクロプログラムを用いた形状最適化にチャレンジする。連載第9回では、チェッカーフラグ状の濃淡とグレーの濃淡をなくす方法を紹介する。

[高橋良一/RTデザインラボ 代表,MONOist]

 これまで述べてきた方法では、ソフトウェアが出力する最適化形状にチェッカーフラグ状の密度ρiの濃淡が現れました。トポロジー最適化は、「チェッカーフラグ状の濃淡、白黒はっきりしないグレー、小骨は悪」として発展しますが、その結果、境界のはっきりした最適化形状が求まるようになりました。今回は、チェッカーフラグ状の濃淡とグレーの濃淡をなくす、1つの方法を紹介します。

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チェッカーフラグの度合いと、白黒はっきりしない度合いの数値化

 「ラグランジュの未定乗数法」を使って目的関数が最小になる設計変数を求めているため、チェッカーフラグの度合いと、白黒はっきりしない度合いを数値化する必要があります。参考文献[1]では、その度合いの指標として次式が提案されています。「gravity control関数重力関数)」と呼びます。

式1 式1
式2 式2

 上式において、iは要素番号、jは要素番号iの要素の周辺の要素に番号を付けたものです。例えば、周辺の要素を上下左右の要素と決めた場合、図1に示すように、jは1、2、3、4となり、m=4となります。

式2のi、jの定義 図1 式2のi、jの定義[クリックで拡大]

 式1式2のpは自分で決められる定数です。参考文献[1]ではp=2としています。Giの幾つかの例を図2に示します。チェッカーフラグ状態ではGi=0と小さい値となり、ρiの全てが0か1の状態、つまり白黒はっきりした状態ではGi=4と大きくなります。また、グレー状態はGi=2.5と中間的な値となります。ρiの初期値は、例えば全てのρiに対して0.375[-]とするため、全体がグレーとなります。これは図2右の状態で、Giは理想の4よりも小さな値となります。

gravity control関数値の例 図2 gravity control関数値の例[クリックで拡大]
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