東北大学は、歯の残数と認知症発症の間には関連があり、そのメカニズムについて、人との交流人数などの社会的要因や栄養に関する要因で部分的に説明できることを明らかにした。
東北大学は2021年12月20日、歯の残数と認知症発症の間には関連があり、そのメカニズムについて、交流人数などの社会的要因や栄養に関する要因で部分的に説明できることを明らかにしたと発表した。
今回の研究では、歯の本数が20本以上の人と19本以下の人で、認知症発症率に違いがあるのかを調査した。また、歯の喪失と認知症発症は何を仲立ち(媒介)として因果関係が生じているのかを分析した。
約3万6000人を対象とし、2010〜2016年の間に認知症を発症した人を調べたところ、歯の喪失が認知症の発症と有意に関連していることが示された。さらに、歯の本数と認知症発症の因果関係を仲立ちする要因として、男性は友人や知人との交流人数、女性は野菜や果物の摂取が大きな役割を果たしていることが明らかとなった。
これらの結果から、歯をできるだけ残すことが、家族や友人との社会関係の維持につながるほか、良好な栄養状態を通じて、認知症発症の予防に寄与する可能性が示された。
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