NECやOKIなど参加、サプライチェーンの調整業務効率化目指すコンソーシアムサプライチェーン改革

NECは33の企業や組織と共同で、サプライチェーン上で発生しているさまざまな調整業務の効率化を目的とした「自律調整SCMコンソーシアム」を設立した。企業、組織、個人間での利害や挙動の調整業務の効率化を目指す。

» 2021年10月06日 14時00分 公開
[MONOist]

 NECは2021年9月17日、33の企業や組織と共同で、サプライチェーン上で発生しているさまざまな調整業務の効率化を目的とした「自律調整SCMコンソーシアム」を設立したと発表した。

 同コンソーシアムにはNECの他に、沖電気工業、BIRD INITIATIVE、サプライチェーン情報基盤研究会、日本総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ、NECソリューションイノベータ、アビームコンサルティング、豊田通商、優先ロジスティクス、VAIO、日本立地センター、菊池製作所、三菱重工業(三菱重工)、NECプラットフォームズ、日新、ネクスティエレクトロニクス、豊通物流、TMIP、駿河精機、ANA Cargoなどの会員企業の他、東京農工大学や東京大学、名古屋工業大学、中央大学に所属する専門家など、合計で33会員が参加している。

 サプライチェーン上で生じる企業や組織、個人間での利害や挙動の調整業務の効率化を目指して、先進技術を活用した実用的な調整業務の整理と検証に取り組む。それらをソリューション提供者やユーザー、学術専門家など、さまざまな立場のメンバーによって共同で進めていく。

 現時点では、製造業での製品納期や数量、価格の調整や、物流業での配送条件や価格調整など、取引相手とのさまざまな調整業務は人手で実施されることが多い。一方で、産業界を取り巻くサプライチェーン環境は、取引の小ロット化や製品の複雑化、多様化、きめ細かなニーズへの対応、競争環境の激化などが進んでいる。このため、複雑な調整業務を短時間かつ大量、正確に実施する必要性が高まっている。

 こうした課題意識の下、代表的なユースケース群に関して、先進技術の活用によって劇的な効率化を実現し得る調整業務フローの整理と検証を進める。例えば、製造業においては予想外の製品需要や必要部品の納入遅れが発生した場合、物流業では突発的な荷送依頼やトラックの到着遅れなどが発生した場合の取引先との納期や数量、価格などの調整業務などが主なユースケースとなる。

 同コンソーシアムではこれらのユースケースに対して、対象業界の商習慣や周辺業務との整合性を取りつつ、不本意な調整への合意が強制されないなど実用上の要件を満足しつつ、自動交渉AI(人工知能)技術などを活用して調整業務の効率化を可能にするソリューションアーキテクチャを実証実験を通じて開発、整理するとしている。

キャプション 取引先との調整業務を劇的に効率化(左:製造業、右:物流業)[クリックで拡大] 出所:NEC

 同時に、報告発表会や講演などの普及活動、調整メッセージの標準仕様策定と参照実証開発、標準化団体や業界団体への働き掛け、学術界でのコミュニティー形成などの活動も行う。

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