茨城県ひたちなか市に半導体製造装置の新工場が完成、スマート工場化で高効率 : 工場ニュース
日立ハイテクは、茨城県ひたちなか市に新工場「マリンサイト」を竣工した。DXを推進するスマートファクトリーによる高効率かつ安定生産体制の構築により、拡大する半導体関連市場の需要に応える。
日立ハイテクは2021年3月22日、2019年11月から茨城県ひたちなか市に建設を進めていた半導体製造装置および解析装置の設計、開発、製造を担う新工場「マリンサイト」が竣工したと発表した。鉄骨造の地上6階建てで、延床面積は約5万m2 。総投資額は約300億円だ。
マリンサイトの外観(クリックで拡大) 出典:日立ハイテク
マリンサイトではIoT(モノのインターネット)の活用などでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する、最新鋭のスマートファクトリーを目指している。生産進度、製品性能、生産環境などデータを一元管理し、各工程の情報を可視化する統合管理システムや、部材の自動搬送やリモート調整の導入により、高効率かつ安定的な生産体制を構築する。
また、生産時に使用するクリーンルームと同等の生産環境の整備や、半導体製造装置と解析装置の設計者の連携を深めるなど、高精度な装置間マッチングといった顧客から要求される課題解決への対応力強化や、開発環境の充実化を図る。
竣工当初より、再生可能エネルギーの利用と太陽光パネルの設置によりCO2 排出ゼロをクリア。環境配慮設計(エコデザイン)とライフサイクルアセスメントを導入した製品開発プロセスで消費電力を削減するなど、脱炭素社会の実現に貢献する。
さらに、新入社員主導のプロジェクトにより、マリンサイトの設計棟屋上には巨大QRコードが描かれている。地図アプリの航空写真などから読み込むことで、同社のホームページへアクセスできる。
屋上に描かれた巨大QRコード 出典:日立ハイテク
半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
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ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。
72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
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IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
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