新エネルギー・産業技術総合開発機構らは、「極低濃度ガス発生装置」と「クリーンブース」を組み合わせて、「経皮ガス計測デバイス評価用清浄環境および極低濃度ガス発生装置」を開発した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東京医科歯科大学、NMEMS技術研究機構は2021年3月31日、「経皮ガス計測デバイス評価用清浄環境および極低濃度ガス発生装置」を開発し、東京医科歯科大学に構築したと発表した。
本装置は、清浄な気相環境を構築し、経皮ガス計測用デバイスを評価できる蒸気圧制御の高精度な標準ガスを生成する。温度調整精度±0.01℃以下、高精度のキャリアガス流量制御0.2〜4L/分、5℃以下の低温での蒸気圧制御により、60ppt(体積比率)のアセトンガス、精度±5%を達成した。
さらに、高純度高圧ボンベガスのキャリアガスやガス成分の吸着を抑えた電解研磨の配管使用により、化学物質の混入や大気中の成分による汚染を低減する設計になっている。開発した清浄な気相空間で、感度、応答性、選択性など高感度ガス計測デバイスの評価や、極微量の経皮ガスの測定が効率的に実施。これにより、体を傷つけずに代謝、疾病に関わる体内の揮発性化学成分を計測できる。
経皮ガスに極微量に含まれる血液由来揮発性成分の中には疾病検査に有効なバイオマーカーとして期待されているものもある。今回の結果は、NEDOのプロジェクト「IoT(モノのインターネット)社会実現のための革新的センシング技術開発」の研究開発テーマの1つ「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末の開発」の成果だ。
今後は、通信機能を持つ超高感度ガス計測デバイスを搭載した小型ウェアラブル計測端末を開発し、ウェアラブル・バイオセンシングの具現化を進めていく予定だ。
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