アジュバンコスメジャパンと理化学研究所は、化粧品成分として用いられる特定の機能性ペプチドが、ミノキシジルと同等の毛髪成長促進効果を有すること、育毛関連遺伝子の発現を誘導することを発見した。
アジュバンコスメジャパンは2021年2月26日、理化学研究所と共同で、化粧品成分として用いられる特定の機能性ペプチド(機能性ペプチドA)が、発毛効果のあるミノキシジルと同等の毛髪成長促進効果を持つことを発見したと発表した。また、育毛に関連する生理活性物質の遺伝子発現を誘導することを明らかにした。
毛周期長が約20日の生体モデルを用いて、51種類の素材から毛幹伸長速度と最大毛幹長を測定したところ、機能性ペプチドAがミノキシジルと同等に毛幹の成長を促すことが明らかとなった。
次に、育毛効果の作用機序を解明するため、ヒト由来毛乳頭細胞を用いて、機能性ペプチドAを添加した際の育毛関連遺伝子の発現を解析した。その結果、毛包周囲における毛細血管の増殖や新生を促す成長因子VEGFと、毛母細胞の増殖や分裂を促す成長因子FGF-7の発現量が増加していた。
一般的に、男性型脱毛症の原因は毛乳頭の成長期の短縮、女性型脱毛症の原因は休止期の延長によるものと考えられている。そのため、成長期毛包を増加させるVEGF、休止期毛包を減少させるFGF-7という2つの遺伝子発現を誘導する機能性ペプチドAは、今後、育毛製品や化粧品などへの展開が期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.