名古屋大学と国立情報学研究所は、経過観察のために撮影された2つの3次元X線CT画像を解析し、自然な日本語所見を生成する生成AIを開発した。撮影日時の異なる2つの3次元X線CT画像から特徴を読み取り、その経時的変化を所見文として出力する。
名古屋大学と国立情報学研究所は2025年4月24日、経過観察のために撮影された2つの3次元X線CT画像を解析し、自然な日本語所見を生成する生成AI(人工知能)を開発したと発表した。これにより、放射線科医の正確なCT画像読影所見文の作成支援が期待される。
開発した生成AIは、撮影日時の異なる2つの3次元X線CT画像から特徴を読み取り、その経時的変化を所見文として出力するLMM(大規模マルチモーダルモデル)だ。3次元画像を、画像特徴を表現するトークンへと3D Vision Encoderを用いて変換し、所見文の出力を命令する命令文のトークンも併せて大規模言語モデルに入力することで、経時的変化の所見文を日本語で出力する。
生成AIと対話することも可能で、限定的ではあるものの、読影レポートの生成だけでなく、読影レポートに記載された事項についての質問も可能だ。
これまで放射線科医しかできなかった経過観察を支援し、より迅速で精確な読影所見の記述や病変の定量評価につながる。
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