世界知的所有権機関(WIPO)が2021年3月2日(現地時間)に発表した2020年の国際特許出願状況によると、トップ10の中に三菱電機、ソニー、パナソニックIPマネジメントの3社がランクインした。
世界知的所有権機関(WIPO)が2021年3月2日(現地時間)に発表した2020年の国際特許出願状況によると、トップ10の中に三菱電機、ソニー、パナソニックIPマネジメントの3社がランクインした。しかし、国別で見た場合、1位の中国と2位の米国、4位の韓国が出願数を伸ばしているにもかかわらず、3位の日本は前年比4.1%減と減少傾向を示していることが明らかとなった。
WIPOによると、WIPOの特許協力条約(Patent Cooperation Treaty、PCT)を介して申請された国際特許出願の件数は、2020年に4%の増加を示し、世界のGDPが3.5%減少とされる中で、27万5900件の出願件数となり、過去最高を記録したという。
国別では中国がトップで出願件数は6万8720件となった。この数値は前年比16.1%増でコロナ禍でも大幅に伸長したことが特徴だ。2位の米国は同3%増の5万9230件とこちらも前年比で増加している。一方で3位の日本は前年比4.1%減となる5万520件と減少している。トップ5で日本と同様に前年比で減少しているのは、5位のドイツで同3.7%減の1万8643件となっている。
トップ10以外では、サウジアラビア(出願件数956件、同73.2%増)、マレーシア(225件、26.2%増)、チリ(262件、同17.0%増)、シンガポール(1278件、同14.9%増)、ブラジル(697件、同8.4%)などが顕著な成長を示した。中長期で見た場合、イノベーションはグローバル化の傾向を示しているとする。
企業・団体別で見てみると、1位は中国の通信会社であるHUAWEI TECHNOLOGIES(ファーウェイテクノロジーズ)で、5464件のPCT特許を出願し4年連続でトップとなった。2位は韓国のSAMSUNG ELECTRONICS(サムスン電子)で3093件の出願となった。3位が日本の三菱電機で2810件の出願である。トップ10ではこの他、9位にソニー、10位にパナソニックIPマネジメントがランクインしている。トップ10企業の中では、4位の韓国LG エレクトロニクスが大幅な成長率(67.6%増)を示し前年の10位から大きく順位を上げている。
その他、50位以内には、15位にNTT(1372件)、19位に富士フイルム(1128件)、20位にNEC(1121件)、22位にデンソー(1062件)、30位にNTTドコモ(767件)、31位にシャープ(745件)、33位にソニーセミコンダクタソリューションズ(703件)、34位に村田製作所(697件)、37位に京セラ(626件)、41位にオムロン(596件)と日立Astemo(日立オートモーティブシステム、596件)、44位にホンダ(559件)の日本企業がランクインしている。50位以内に入った日本企業は合計15社となる。
テクノロジー分野としては、コンピュータ技術(全体の9.2%)が公開されたPCT出願の最大シェアを占めた。次いでデジタル通信(8.3%)、医療技術(6.6%)、電気機械(6.6%)、測定技術(4.8%)が続いている。
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