クラリベイト(Clarivate)は、保有する特許データを基に知財/特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業100社を選出する「Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021」を発表。今回で10回目の発表となるが、会見では10年連続でトップ100に入ったパナソニックと日立の知財部門担当者が登壇し、両社の知財戦略について講演した。
クラリベイト(Clarivate)は2021年2月24日、オンラインで会見を開き、保有する特許データを基に知財/特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業100社を選出する「Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021」を発表した。前回の2020年は、100社中の国別企業数で前年比7社減の32社と減少し1位から2位に転落した日本だが、2021年も3社減の29社となり、3社増の42社となった首位の米国との差がさらに開く結果となった。
Top 100 グローバル・イノベーターは、クラリベイトの前身であるトムソン・ロイターのIP&Science事業部時代の2011年から毎年発表しており今回で10回目となる。選定基準は、取得した特許の「数量」、出願した特許が登録される「成功率」、日本、米国、欧州、中国という主要4市場における特許を計測する「グローバル性」、他社の発明に引用されている頻度を計測する「影響力」の4項目だ。これらの分析には、クラリベイトの付加価値特許データベース「Derwent World Patents Index(DWPI)」、特許引用情報データベース「Derwent Patents Citation Index(DPCI)」、特許調査・分析プラットフォーム「Derwent Innovation」を用いている。
2021年の初受賞企業はArm、エイスース(ASUS)、ボルグワーナー(BorgWarner)、ボーズ(Bose)、中国情報通信研究院(China Academy of Telecommunications Technology)、キンポエレクトロニクス(Kinpo Electronics)、KLAコーポレーション、カーボ(Qorvo)、SK Telecom(SKテレコム)の9社だ。国別では米国が5社、台湾が2社、中国と韓国が1社で、分野別ではハードウェア・電子部品製造が3社、半導体が2社、通信が2社などとなっている。
受賞企業の国別内訳を見ると、米国が首位、日本が2位という位置付けは2020年と変わらないが、3〜5位の台湾、韓国、中国がじわじわと社数を増やしていることが分かる。クラリベイト・アナリティクス・ジャパン バイスプレジデント IPグループ日本部門代表の小島崇嗣氏は「単独2位の日本は変わらず技術大国と言っていいだろう。この日本に、台湾、韓国、中国を含めた東アジア諸国の合計では43社となり米国の42社に匹敵する。世界のイノベーションをけん引しているのは米国と東アジアと言っても過言ではない」と語る。
今回受賞した日本企業のうち初受賞企業はなかったものの矢崎総業が再び受賞している。一方、2020年に選定された日本企業のうち2021年で落選したのは、フジクラ、日本航空電子工業、JFEスチール、オリンパスの4社だった。
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