富士フイルムとタタ・エレクトロニクス、インドでの半導体材料製造で提携製造マネジメントニュース

富士フイルムは、タタ・エレクトロニクスとインドでの半導体材料の生産体制およびサプライチェーンの構築について提携する基本合意書を締結した。

» 2025年05月08日 08時00分 公開
[MONOist]

 富士フイルムは2025年5月7日、インドのエレクトロニクス製造大手のTata Electronics(以下、タタ・エレクトロニクス)とインドにおける半導体材料の生産体制およびサプライチェーンの構築について提携する基本合意書(MOU)を締結したと発表した。

 インドは、半導体のほぼ全てを輸入に依存しており、インド政府は、経済的、戦略的な重要課題として半導体の国産化を進めている。これらを背景に、タタ・エレクトロニクスは、グジャラート州ドレラに、インド初の半導体前工程製造工場を建設している。さらに、アッサム州ジャギロードに大規模な半導体後工程製造工場を建設中だ。

 こうしたタタ・エレクトロニクスの動きに対し、富士フイルムは、前工程から後工程まで幅広い半導体材料を持つ強みを生かし、タタ・エレクトロニクスの半導体製造プロセスのニーズに合った半導体材料の開発と提供を行うため協力を進める提携を進める方針だ。

 富士フイルムでは、フォトレジストやフォトリソグラフィー周辺材料、CMP(化学的機械研磨)スラリー、ポストCMPクリーナー、薄膜形成材、ポリイミド、高純度プロセスケミカルなど半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料や、「Wave Control Mosaic」をはじめとしたイメージセンサー用カラーフィルター材料などをグローバルに展開している。これらを生かし、タタ・エレクトロニクスがインドにおいて半導体製造を立ち上げる支援を進めていく。

 富士フイルムでは今後、インドでの半導体材料工場の設立や原材料の調達も検討し、大きな成長が見込まれるインド半導体関連市場の需要を取り込むことで半導体材料事業の成長をさらに加速させるとともに、同国における強固な半導体材料エコシステムの構築に取り組んでいく。

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