「Biz Hits」が「40代の転職に関する意識調査」の結果を発表した。「未経験の仕事に転職した理由」の1位は「やりたい仕事、新しい仕事への挑戦」だった。転職後の収入は「下がった」が約半数で、8割近くが「転職してよかった」と回答した。
ビズヒッツが運営する、ビジネス上の問題解決を考えるメディア「Biz Hits」は2021年1月13日、「40代の転職に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、40代で未経験の仕事に転職した人を対象としたもので、146人(女性81人、男性65人)から有効回答を得た。
まず、「40代で未経験の仕事に転職した理由」を調べたところ、1位は「やりたい仕事、新しい仕事への挑戦」(19.9%)だった。2位は「倒産、解雇、契約終了」(15.8%)、3位は「収入アップのため」(12.3%)だった。
1位の「やりたい仕事、新しい仕事への挑戦」については、「昔からやってみたかった仕事に真剣に取り組みたくなった」「今まで経験したことのない仕事に挑戦する最後のチャンスになるのではと感じた」「本当に興味のある仕事に転職できるのは、この年齢が限界だと思ったから」などのコメントが寄せられている。
また、女性の回答者の中には、20〜30代は家事や子育てと両立できる仕事をしていたが、子どもに手がかからなくなった40代になり、もともとやりたかった仕事に挑戦したという人もいた。
2位の「倒産、解雇、契約終了」に寄せられたコメントからは、退職せざるを得なくなり、未経験の仕事に就くことになった人や、就職先を早く見つけなければという焦りから望まない仕事に就いた人、やりたい仕事が見つかるまでの仮の転職をした人がいることがうかがえる。
3位の「収入アップのため」には、給与が少ない、昇給の見込みがないといった給与面への不満から転職したことが分かるコメントが見られた。
4位「ライフスタイルの変化」については、女性の場合は結婚、出産、配偶者の転勤、離婚など生活の変化による転職が目立った。5位「希望の仕事に就けなかった」には、経験やスキルを生かせる仕事に就けず、未経験の仕事を選ぶしかなかった人からのコメントが寄せられた。
次に、未経験の仕事に転職するために準備したことがあるかを尋ねたところ、「ある」と回答したのは39.7%だった。
未経験の仕事に転職するために準備したことで最も多かったのは、「業界や仕事内容のリサーチ」(24.1%)だった。働きたい業界の動向や、仕事内容、求める人物像などを調べて転職に臨む人が多いようだ。2位は「仕事に関する勉強」(19.0%)、3位は「資格の取得」(17.2%)だった。
転職後の年収の変化についても尋ねた。その結果、最も多かったのは「下がった」で、56.2%と半数以上を占めた。次が「上がった」で28.1%、「変わらない」は15.7%となっている。前職の経験や実績が生かされない異業種への転職は、収入が減るケースが多いが、「残業が多い会社から、定時で帰れる会社に転職した」「責任の重い仕事から気楽にできる仕事に転職した」など、収入よりも優先したい条件がある人は、収入減を承知で転職したようだ。
最後に「未経験の仕事に転職してよかったか」を尋ねたところ、「よかった」が33.6%、「どちらかといえばよかった」45.2%となり、合わせて78.8%が「転職してよかった」と回答した。
「転職してよかった」と回答した人からは、「視野が広がり、人生観や価値観も変わった」「収入と人間関係どちらも良くなった」などのコメントが寄せられている。一方、「悪かった(転職に失敗した)」と感じている人からは「入社前の説明と実態が違った」「仕事が合わなかった」など、理想と現実のギャップを嘆く声が上がった。
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