職場の人との「コミュニケーションのしやすさ」を「業務に関わるコミュニケーション」と「業務に直接関わらないコミュニケーション」それぞれについて尋ねた。その結果、どちらも「しにくい」が50%を超えた。
「業務に関わるコミュニケーション」のしやすさを年代別に見ると、年代が下がるほど「しにくい」が多く、「20代」(61.9%)と「60代」(51.2%)を比較すると、約10%の差があった。
「業務に直接関わらないコミュニケーション」のしやすさも、年代が下がるほど「しにくい」が増える傾向が見られた。「しにくい」が最も多い「20代」(60.9%)と、最も少ない「50代」(47.7%)では、約13%の差があった。
「業務に関わるコミュニケーション」が「しにくい」理由について、自由回答からテキストマイニングで全体像を見たところ、「相手の顔が見えない、状況が分からない」「電話などの連絡の取りにくさ」「メールは時間がかかる」「上司とのやりとりが多い」「通信環境が悪い」「タイミングが難しい」などが挙がった。
「業務に直接関わらないコミュニケーション」が「しにくい」理由も調べた。「業務に関わるコミュニケーション」と同様に「相手の状況が分からない、相手が忙しい」「話す時間やタイミングが難しい」などが挙がっている。
続いて、在宅勤務を始めて、業務で関わりのある職場の人との関係性に変化があるかを尋ねた。その結果、「(職場の人が)何をしているか分かりにくくなった」が63.9%、「話さない人が増えた」が60.6%で、他の回答より割合が高かった。
職場の人との関係性の変化では、「自分がどう映っているか不安になった」という項目があり、全体では38.9%が「はい」と答えている。これを年代別に見ると、「20代」は51.0%、「30代」は44.1%が「はい(不安になった)」と回答しており、最も低い「50代」(29.9%)と「20代」を比べると20%以上の開きがあった。
さらに、在宅勤務時のコミュニケーションについて当てはまるものを回答してもらうと、「ちょっとした会話が減る」「ランチや飲み会での交流が減る」など、コミュニケーション機会が減ることについて「はい」と回答した人が70%を超えた。「ちゃんと伝えようと、丁寧になる」も70%を超えている。その他、「場の雰囲気をつかみにくい」「発信、発言への反応がつかみにくい」といったニュアンスの感じにくさに関する項目が60%を超えた。
次に、対象者のうち、「今現在、チームを組んで業務を実施している」と回答した1823人に、そのチームのチームワーク状況を判断する独自のアセスメントを実施。獲得した得点ごとの傾向を見た。
その結果、「業務に関わるコミュニケーション」時間は、得点が「30点以下」のチームは「30分未満」が多かった。一方、「31〜35点」「36〜40点」は「30分以上」が最多となっている。
「業務に直接関わらないコミュニケーション」の時間は、3チームともに「30分未満」が最も多かったが、高得点の「36〜40点」チームは、「30分以上」が21.4%あり、「30点以下」チームの12.4%と9ポイントの差が見られた。
先述の「在宅勤務時のコミュニケーション」についての質問では、当てはまる項目として「ちょっとした会話が減る」「ランチや飲み会での交流が減る」「ちゃんと伝えようと、丁寧になる」が上位に挙がっていた。これらの項目について、チームワーク得点別に見た場合、各層の間に大きな差は見られなかった。ただ、「発信、発言への反応がつかみにくい」「場の雰囲気をつかみにくい」の項目は、チームワーク得点が上がるほど、ポジティブな(つかみにくいと感じていない)結果となった。
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