帝国データバンクが、企業を対象にした「103万円の壁の引き上げ」についての調査結果を発表した。103万円の壁の引き上げに「賛成」と67.8%が回答し、制度自体を「撤廃すべき」と合わせると約9割に達した。
帝国データバンクは2024年11月14日、「103万円の壁の引き上げ」についてのアンケート調査結果を発表した。
同調査は全国の大企業、中小企業を対象としたもので、1691社から有効回答を得た。
まず、日本の社会全体にとって「103万円の壁」の引き上げをどう考えるか尋ねたところ、67.8%が引き上げに「賛成」と回答した。「反対」は3.9%で、103万円の壁自体を「撤廃すべき」は21.9%だった。「賛成」と「撤廃すべき」を合わせた89.7%が、103万円の壁について見直しを求めている。
企業から寄せられたコメントには、「103万円の壁を意識するパートの方が多く、引き上げれば働き控えが解消される」(飲食店)、「最低賃金の引き上げが加速する中、制度の見直しは避けられない」(運輸、倉庫)などがあった。働き控えの解消に一定の効果があると考える企業、減税効果による手取り収入の増加を期待している企業が多かった。
「賛成」と回答した企業の中には、「社会保険料の106万円、130万円の壁もあるので、所得税のみの見直しでは働き控えはそれほど変わらない」(情報サービス)といった、社会保険料を含めて制度を見直す必要があると考える企業もあった。
また、「撤廃すべき」と回答した企業からは、働いても税金を払うことが損になるという風潮が世間にあることや、複雑な現行制度の刷新、公平性を求める声が上がった。
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