ザ・ゴールが、職場コミュニケーションに関するZ世代と他世代との比較調査結果を発表した。Z世代は失敗への不安が大きく、職場環境では自由を求めながら、業務の裁量を任されることには消極的な傾向が見られた。
ザ・ゴールは2025年12月4日、職場コミュニケーションに関する、Z世代(1990年代半ば〜2010年代序盤に生まれた世代、主に20代)と他世代(30〜50代)の比較調査結果を発表した。
同調査は同年9月にオンラインで実施したもので、全国の20〜50代の男女500人が回答している。
初めに「職場での働き方」に関して調査した。Z世代は失敗への不安が大きく、「マニュアルを踏襲したい」という回答が他世代より14.3ポイント多かった。また、「注意されると萎縮してしまう」は14.5ポイント多かった。
同社の分析によると、Z世代の価値観は長期勤続や出世への執着が低く、周囲に合わせることよりも自分らしさを優先するといった傾向がある。そのため、上司からの指摘や期待に対する反応が、反骨心ではなく敵対心として表れやすいという。
「理想とするマネジメント」に関しては、自由な服装や有給取得の柔軟さといった自由な職場環境を支持する傾向があった。一方、業務の裁量を任されることには消極的だった。「まずは自由にやってもらう」が他世代より9.8ポイント少なく、「失敗しても再挑戦を後押しする」も6.5ポイント少ない。
同社はまた、Z世代にとって業務を自由に任せられることは、放任されていると不安を感じやすいため、他世代にはZ世代を段階的に支援しながら業務を任せる関わり方が求められるとしている。
また、Z世代は同僚や先輩、後輩とは近い関係を望むものの、上司に対して距離を取りたい層が他世代と比べて4.7ポイント多かった。上司と距離を取りたい層のうち、距離感「小」の上司イメージは「指導者」「信頼、安心できる存在」だったが、距離感「大」のイメージでは「敵」「反面教師」と評価する傾向が見られた。
Z世代にとって「上司がどんな人物か」は、仕事のモチベーションや成果に大きく関わるため、「上司ガチャ」として相性を重視している。Z世代に信頼される上司とは「対等な目線に立ち、導いてくれる」「頼れるのに話しやすい」存在と言える。
Z世代の中でも上司と距離を取りたい層にとっては、「自由にやってもらう」「難しい仕事を経験させる」などの施策は心理的負担となりやすく、求められていないことが明らかになった。支持が多かったのは「プレッシャーをかけすぎない」「褒めて伸ばす」といった共感的な対応だった。
同社は、Z世代に対しては裁量を与える前に安心できる関係性を築くことが必要であり、威圧でも放任でもない「見守り型」のマネジメントが効果的だと結論づけている。
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