OPeLiNKが用いられているSCOTは、広島大学のベーシックSCOT、信州大学のスタンダードSCOT、東京女子医科大学のハイパーSCOTとして既に運用されている。
今後、OPExPARKが拡販を目指していくのは、手術に用いるさまざまな機器を接続して、1つの画面上に時間同期された各機器の情報を表示できるスタンダードSCOT向けのOPeLiNKだ。OPeLiNKで収集したデータは全て時間同期した状態でデータベースに保存される。本田氏は「どのように手術を行ったかというエビデンスにもなる。自動車のドライブレコーダーのように活用することもあるだろう。これは医療の透明化にもつながり、そういった取り組みを行っていることが病院のブランディングにもつながる」と述べる。
また、OPeLiNKで収集したデータは全て時間同期した状態でデータベースに保存される。一流の医師による手術の際のデータであれば、それを最先端の手術を学べる教育コンテンツに仕立てることが可能になる。「当初の1〜2年は、SCOTのプロジェクトで開発に協力していただいた脳神経外科の手術が中心になるが、OPeLiNKの普及に合わせてコンテンツの源になる手術データはどんどん増えて行くので、それらの中から教育コンテンツ化していくことは可能だろう。場合によっては、教育コンテンツ提供を前提に契約でOPeLiNKの導入コストを安価にするということも考えられる」(本田氏)という。
OPExPARKという社名は手術(OPeration)に関する経験(Experience)が集う広場(Park)に由来する。そして、OPeLiNKで収集したデータによって、一流の医師の判断を見える化し、そのデータを使って他の医師が学ぶことで、どこでも最善の医療を享受できる世界の実現に貢献することを、事業目標に掲げている。本田氏は、OPExPARKの具体的な事業目標は非公開としたものの「医師がOPeLiNKを使って手術を行うのが当たり前になるようにしたい」と意気込んでいる。
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