大阪大学は、AI(人工知能)による画像判別技術を活用し、がん細胞の種類を判別することに成功した。人の目では判別困難な微細な差異を検出し、顕微鏡画像に写された細胞の種類を特定可能になった。
大阪大学は2018年12月6日、AI(人工知能)による画像判別技術を活用し、がん細胞の種類を判別することに成功したと発表した。人の目では判別困難な微細な差異を検出し、顕微鏡画像に写された細胞の種類を特定可能になった。同大学大学院医学系研究科 教授の小川和彦氏らの共同研究グループによる成果となる。
同研究ではまず、マウス(NR-S1)とヒト(ME-180)のがん細胞株から、放射線治療が効きにくい放射線治療抵抗性のがん細胞株を用意した。これらの細胞株の位相差顕微鏡写真を、それぞれ1万枚ずつ撮影した。
次に、深層学習法の1つである畳み込みニューラルネットワークを用いて、これらの画像に写るがん細胞の種類を特定できるAIを作成した。撮影した画像を学習したAIは、正解率約98%という高い精度で、画像に写る細胞腫を予測。AIには、人の目では判別困難な細かな画像の違いを、人より速く判別可能なことを示した。
この成果により、医療画像領域においても、AIによる画像認識技術が有用であることが示された。この技術を応用・発展させることで、細胞の種類だけではなく、放射線治療などのがん治療の効果をAIが予測する技術の開発が期待される。
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