日本毛織は、発汗時の布地の肌離れ性を客観的に評価する「ニッケ法」を開発した。大阪大学と共同で実施した妥当性検証で、汗による不快なまとわりつきを数値で評価できることを確認した。
日本毛織(ニッケ)は2024年12月25日、発汗時の布地の肌離れ性を客観的に評価する「ニッケ法」を開発したと発表した。大阪大学と共同で、汗による不快なまとわりつきを数値で評価できることを確認した。インナーやスポーツウェアなどの開発において活用が期待される。
肌離れ性の数値化には、ぬれた布地と皮膚の間に生じる摩擦力を利用した。通常は布地の強度測定に用いる「引っ張り試験機」を利用し、円柱体の表面に合成皮革を巻き付けた摩擦抵抗体の上に湿潤状態の試験紙布を乗せ、引っ張ったときの最大摩擦力を測定する。
大阪大学と共同で実施した実験装置の妥当性検証では、得られた数値データと人の実感値が一致することを確認した。また、肌離れ性には、最大摩擦力以外に影響する要素がないことも確認している。
さまざまな種類の布地を測定した結果、肌離れ性の良い布地について一定の知見が得られた。例えば、他の素材より繊維内部に水を保持できるウールは、表面のぬれ方が少なく、肌離れ性に優位であることが明らかとなった。
この手法は同社内で既に標準化しており、試験依頼に対応できる体制が整っている。自社ウール製品の営業用に持ち運びできる簡易プレゼンテーション用試験機も製作し、営業活動に使用している。
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