東北大学は、日本の都市部と農村部で信頼感と健康感に関連があるかについての研究結果を発表した。都市部では地域の人々への信頼感が高い人ほど健康であると感じているが、以前から人付き合いが密な農村部では、健康との関連は見られなかった。
東北大学は2018年5月22日、日本の都市部と農村部で信頼感と健康感に関連があるかについての研究結果を発表した。同大学大学院歯学研究科 准教授の相田潤氏らによる成果だ。
今回の研究では、他者一般への信頼感(一般信頼)および地域の人々への信頼感(特定信頼)と主観的な健康感との関連が、都市部と農村部で変化するかを調べた。調査に際し、日本老年学的評価研究プロジェクトの2010年度・2013年度調査に参加した国内24市区町村に在住する65歳以上の高齢者1万3657人を対象に、アンケートを実施した。
約3年間の追跡調査の結果、一般信頼は、都市部とご近所付き合いが密接な農村部のいずれにおいても健康と関連していた。一方、特定信頼については、都市部では地域の人々への信頼感が低い人ほど主観的健康感が悪いと回答。農村部では、密な付き合いや助け合いといった関係がすでに築かれていることから、地域の人々への信頼感は主観的健康感にそれほど影響を与えていないことが分かった。
これまでは、他人への信頼感が高いほど健康に良いと考えられていたが、今回の成果により、地域の人々に対する信頼感の高さと健康との関連は、地域によって変化することが示された。
また、他者一般への信頼感については、都市部、農村部のどちらも健康と関連していることから、信頼感を外部に広げて新しい交友関係を持つことは、地域に関わらず健康に良い影響を及ぼす可能性があると考えられる。
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