これらの状況を受け、ポーター氏はAR活用において「企業の競争戦略的に問わなければならない5つの問いがある」と述べる。5つの問いは以下の通りだ。
ポーター氏は「今はデジタル変革とされ、技術の進化が著しいが、多くのデジタルの要素は間違った目的で設計されている。『全てが人間が使うものだ』という視点が抜けているからだ。機械は進化しているが、人間の優れた要素は残り続ける。その中で、機械の要素だけの発展が語られて、人間に関する技術の進化が語られてこなかった。人間には制限値がなく柔軟性や革新性、創造性がある。現在の機械の進化と合わせて、人間を進化させることに目を向けなければならない」と語る。
さらに「ARは人間に力を与えるバランサーとなり得る。人間の能力をデジタル変革の世界でも活用することができるようにすることで、より良い世界を作ることができる。どちらかだけでは無理だった世界が融合する世界ができる。その新たな均衡点が見えてきた」とARの意義について強調する。
ポーター氏は「米国での情報に接していると毎日『人間の仕事はなくなる』などの危機感を煽る記事を目にするが、全ての記事が機械およびテクノロジーだけに注目したものとなっている。人間の存在を無視している。ARによりそれをゆり戻すことができればよいと考えている」と述べている。
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