JRCSが日本マイクロソフトと提携してデジタルイノベーション事業を推進する背景には、海運・海洋産業における厳しい人材不足がある。現在、世界の商船には約40万人の職員(船長や航海士、機関長など管理職)と約80万人の作業員、合計約120万人が乗組員として勤めている。そのほとんどは外国人で、日本人は職員を中心に5000人程度しかいないという。
JRCSの近藤氏は「海運・海洋産業は厳しい環境の職場として若者から敬遠されており、日本人の船員希望は少なく、外国人船員が増えている。業界の一端を担う企業としてこの状況を変えたいと思っていたが、マイクロソフトのシアトルのラボを訪問した折に、HoloLensを活用しているJALや小柳建設の事例を見て大きな可能性を感じた。MRやAIを活用したデジタルイノベーション事業によって新しい価値を市場に提供し、若者の海運・海洋産業へのイメージを変えたい」と強調する。
日本マイクロソフトは、これまでMR関連の提携を拡大してきたが、海運・海洋産業では今回のJRCSが初の事例となる。同社社長の平野拓也氏は「MR関連では、2016年にJAL、2017年に三菱ふそうトラック・バスと提携した。今回のJRCSとの提携により、陸海空がそろったことになる。また、地方を拠点にグローバルビジネスを展開している企業との提携という観点でも、JRCSとの提携には大きな意義がある」と述べている。
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