本社移転で部門間連携を加速、ユーザー向けの施設も手厚く進化製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

医療機器を販売する日本ストライカーは移転した新本社をメディア向けに公開した。

» 2025年04月28日 08時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 医療機器を販売する日本ストライカーは2025年4月24日、移転した新本社をメディア向けに公開した。拡張したフロアを生かして、日本の整形外科分野としては初めて薬事承認を受けたロボティクス製品や、救急医療向けの電動ストレッチャーなどの実機を並べたショールームを設けた。製品のデモや講習を受けられるワークショップルームなどユーザーである医療従事者向けの設備を充実させるとともに、社員の執務エリアも働きやすいレイアウトや機能に変更した。

新本社のショールーム[クリックで拡大]

 日本ストライカーは、米国に本社のあるストライカーの日本法人。ストライカーは整形外科医のホーマー・ストライカー氏が1946年に設立した企業で、グローバル本社はミシガン州カラマズーにある。現在も整形外科を含むさまざまな診療科目向けに、救急搬送から診断、治療計画手術、回復支援まで幅広い領域向けに医療機器を展開している。実際の症例や医療従事者の声に基づいて事業を拡大してきた。

 ストライカーの2024年の売上高は226億ドルで、過去45年間の売上高平均成長率は16%だ。75カ国で5万3000人の社員が働いている。日本ストライカーは新宿区に移転した新本社の他、大阪事業所や各地の物流センターなどの拠点を持つ。地方の中小規模の病院へのデリバリーを重視してここ数年で北海道や東北、九州などに物流センターを開設してきた。

 ストライカーは部門間連携を推進しており、日本ストライカーもそれに準じる。事業部は以下の通りだ。

日本ストライカーの事業部
ニューロバスキュラー/ペリフェラルインターベンション
事業本部
脳、腹部末梢領域、血管内治療製品
メディカル事業本部 救急医療、集中治療関連製品
NSE/CMF事業本部 脳外科手術、顎顔面手術、耳鼻咽喉科手術用製品
ジョイントリプレースメント/サージカル事業本部 人工関節手術用製品、手術室用備品
スパイン事業本部 脊椎手術用製品
トラウマ&エクストリミティーズ事業本部 骨折/外傷治療手術用製品、肩関節関連製品
エンドスコピー事業本部 内視鏡手術用カメラシステム、スポーツメディスン

 日本ストライカーは、2022年から中期経営計画「Defy the odds」を推進している。30以上のプロジェクトを、100人以上の社員が組織横断で取り組んでいる。日本ストライカーでは、事業部ごとに本社にレポートするのではなく、日本法人のトップである代表取締役社長の水澤聡氏がレポートをダイレクトに受ける体制をとっている。タイムリーに事業部を超えて連携できるようにしている。

日本ストライカーの水澤聡氏[クリックで拡大]

 中計には5つの柱がある。製品投入のパイプラインを固めて市場投入戦略をブラッシュアップしていくこと、フィナンシャルプラン拡充による製品導入支援、物流の2024年問題など日本特有の課題を踏まえたサプライチェーンの強化、ワークフローの効率化、人材開発などに取り組む。1つの事業部に限定せず、部門横断で取り組みを推進する。

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