社会課題解決型デジタルヘルスで注目されるEU、調整役はエストニア海外医療技術トレンド(30)(3/3 ページ)

» 2017年12月15日 14時00分 公開
[笹原英司MONOist]
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電子政府基盤からエビデンスに基づく政策立案基盤への進化

 エストニアと聞くと、電子政府基盤、ブロックチェーン/分散台帳技術など、テクノロジードリブンの印象が強いが、ICT基盤構築/運用の経験/ノウハウをベースにしながら、政策的な仕組みづくりで、EU全体の調整役を果たそうとしている。

 例えば、2017年11月23日、EU理事会は、ブリュッセルで、薬剤耐性(AMR)対策のための「欧州ワンヘルス行動計画」とエビデンスに基づく政策形成(EBPM:Evidence-Based Policy Making)に関する高官レベル会議を開催している(関連情報)。

 地域的に見ると、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は、社会保障制度ややEBPMの実践で先行する北欧諸国(デンマーク、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)との関係性強化を推進してきた(関連情報)。特に、デジタルヘルスにおける相互運用性に関して、北欧諸国は、コンティニュア・ヘルス・アライアンス/パーソナル・コネクテッド・ヘルス・アライアンスを実質的な統一標準規格として採用してきた経緯があり、デジタルヘルスに関する技術・政策の双方からも、今後の動向が注目される。

筆者プロフィール

笹原英司(ささはら えいじ)(NPO法人ヘルスケアクラウド研究会・理事)

宮崎県出身。千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医薬学博士)。デジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク/コンプライアンス関連調査研究/コンサルティング実績を有し、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所等でビッグデータのセキュリティに関する啓発活動を行っている。

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