TRONはIoTに加えてAIも取り込む、IEEEによる標準化でさらなる普及へ:2017 TRON Symposium(2/2 ページ)
坂村氏が手に持っているのが「RF IoT-Engine」だ
半導体メーカー各社による製品化が進んでいる、IoT機器開発のための標準開発環境「IoT-Engine」については、6LoWPANの無線モジュールとIoT-Engineのマイコン基板を1枚に集積した「RF IoT-Engine」がユーシーテクノロジーから発表された。「IoTエッジノードのための“ラズパイ”」と名打ち、チップアンテナより高感度な板状逆F型アンテナと1000円台の低価格を特徴に、2018年2月に発売される予定。「一般的なRaspberry Piの価格は約3000円で、IoTエッジノードの開発で使うには高価だ。RF IoT-Engine のように1000円台の価格になれば、さらに開発がやりやすくなるだろう」(坂村氏)。
この他、パーソナルメディアが、IoT-Engineを用いたIoTエッジノードをスマートフォンで簡単に操作できるUI「スマートIoTコントローラ」を開発した。こちらも2018年2月に発売される予定だ。
坂村氏は「後から振り返ると『2017年はすごい年だった』といわれるかもしれない。今までできなかったことが、どんどんできるようになっている。新しい技術開発の局面がこれから展開を広げていくだろう。国際関係を含めてさまざまな問題が語られているが、これらの新しい技術が未曾有の危機を救うことになるかもしれない」と述べている。
- 坂村健氏が見る中国シェアリングエコノミーの拡大とIoTの真価
「Embedded Technology 2017」「IoT Technology 2017」の特別講演に、東洋大学教授の坂村健氏が登壇。「オープンIoTで広がる未来、IoTからIoSへ」をテーマに、オープンIoTの考え方から実現のためのフレームワークアーキテクチャ、実践に向けての取り組みになどについて説明した。
- 坂村健氏が東洋大の情報連携学部で実践する「IoS」時代の教育
東洋大学は2017年4月に開校する情報連携学部のプレス内覧会を開催。赤羽台キャンパスに新設した「INIAD Hub1」を公開した。同学部の学部長に就任する坂村健氏は「INIAD Hub1は、世界最先端のIoTビルであり、学生とともに成長していく」と語った。
- “東大の”坂村健氏による最後の「TRON Symposium」、動く「IoT-Engine」が登場
トロンフォーラムが主催する「2016 TRON Symposium−TRONSHOW−」は、TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏が東京大学教授として臨む最後のTRON Symposiumとなる。坂村氏は2017年3月末に定年退官を迎えるが、同年4月に東洋大学が新設する情報連携学部の学部長に就任する予定だ。
- IoTは本物か?:坂村健×SEC所長松本隆明(前編)
情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)所長の松本隆明氏が、ソフトウェア分野のキーパーソンと対談する「所長対談」。今回は、30年以上前からIoT時代の到来を予見してユビキタス・コンピューティングを提唱してきた東京大学教授の坂村健氏に、IoTの今後の方向性や可能性について聞いた。
- 動き始めた「IoT-Engine」、「Smart Analog」との連携も
「2016 TRON Symposium−TRONSHOW−」の展示会場に特設された「IoT-Engineパビリオン」では、実際に動作する「IoT-Engine」を使ったデモンストレーションが披露された。
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