ヒューマノイドを「人材派遣」へ、GMOはエンジニア帯同で現場の即戦力化を狙う2025国際ロボット展

GMOは2025国際ロボット展で、ヒューマノイドの「人材派遣型サービス」を披露。現場環境に合わせて学習させた機体を提供し、エンジニアが稼働を支援する。物販から派遣へのモデル転換を掲げ、製造業への実装を目指す。

» 2025年12月11日 06時30分 公開
[安藤照乃MONOist]

 GMOインターネットグループは「2025国際ロボット展(iREX2025)」(2025年12月3〜6日、東京ビッグサイト)に初出展した。2024年6月に設立したGMO AI&ロボティクス(以下 GMO AIR)を中心に、ヒューマノイドロボット実機の展示や、新たに開始した「人材派遣型サービス」の紹介を行った。

 人材派遣型サービスで提供する(左)Engine AIの「PM01」と(右)Unitreeの「G1」 人材派遣型サービスで提供する(左)Engine AIの「PM01」と(右)Unitreeの「G1」[クリックで拡大]

 同社は2026年を「ヒューマノイド元年」と位置付けている。ロボット産業のビジネスモデルが、従来のハードウェアを販売する「物販型」から、労働力そのものを提供する「人材派遣型」へと構造的転換を遂げると予測。この動きに先駆ける形で、GMO AIRは、ヒューマノイドロボットを現場へ派遣するサービスを2025年4月より正式に開始した。

 本サービスは、購入したままの状態では即座に稼働させることが難しいヒューマノイドに対し、GMO AIRが事前に現場環境や求める動作を確認し、必要な機械学習を施した状態で現場へ派遣する。現場での稼働に際しては、GMOインターネットグループのエンジニアが帯同したり、導入企業のエンジニアに対してレクチャーを行ったりすることで運用を支援する。

カフェでのオーダー受付から配膳、簡単な会話による接客までを実演した カフェでのオーダー受付から配膳、簡単な会話による接客までを実演した[クリックで拡大]

 展示ブースでは、実際に派遣対象となる3機種のヒューマノイドが公開された。ラインアップは、Unitree製の「G1」、Engine AI製の「PM01」、UBTECH製の「Walker E」だ。このうちG1は既に派遣サービスを開始しており、PM01とWalker Eは2026年2月からの稼働開始を予定している。また、人材派遣型サービスの提供イメージとして、カフェに見立てた空間でオーダー受付から配膳、簡単な会話による接客までを実演した。

 人材派遣型サービスで提供予定のUBTECHの「Waker E」 人材派遣型サービスで提供予定のUBTECHの「Waker E」[クリックで拡大]

 市場の需要動向については、かつてはエンターテインメント分野での引き合いが強かったものの、「現在は工場など製造現場からの相談が増加傾向にある」(GMOインターネットグループの説明員)という。GMO AIRは中長期的にはサービス業や製造業、さらには家庭内での家事支援や介護補助といった分野への適用も視野に入れている。

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