東洋大学は2017年4月に開校する情報連携学部のプレス内覧会を開催。赤羽台キャンパスに新設した「INIAD Hub1」を公開した。同学部の学部長に就任する坂村健氏は「INIAD Hub1は、世界最先端のIoTビルであり、学生とともに成長していく」と語った。
東洋大学は2017年3月30日、同年4月に開校する情報連携学部(INIAD:Information Networking for Innovation and Design)のプレス内覧会を開催した。JR赤羽駅から徒歩8分でアクセスできる赤羽台キャンパス(東京都北区)に新設した、情報連携学部が入る「INIAD Hub1」を公開。4月には、同学部の1年生となる約400人の学生が入学し、約70人の教員によって、情報連携学部が掲げる「文芸理融合」の教育を受ける。4学年の学生がそろう2020年度には、修士までの大学院生や共同研究の研究者などを含めて総計約2000人規模が入ることになる。
同学部の学部長には。2017年3月末で東京大学大学院教授の職を定年退官する坂村健氏が就任する。坂村氏は「INIAD Hub1は、世界最先端のIoT(モノのインターネット)ビルだ。情報連携学部は、文理芸のうち『理』を志す学生が半分、『文』『芸』を最終的な目標に見据える学生が半分という構成。しかしまずは、情報連携学部の共通言語であるプログラミングをしっかり学んでもらうことになる。その上で、INIAD Hub1のさまざまなIoTデバイスを使ってIoTビルの機能を学生自身の手で作り上げていってもらう。学生とIoTビルがともに成長していくというコンセプトだ」と語る。
総床面積が1万9000m2のINIAD Hub1には、カメラをはじめとするさまざまなセンサーとしてIoTデバイスが5000項目設置されている。これらのIoTデバイスと、設備機器や環境制御機器などは通信ネットワークとオープンなAPI(Application Programming Interface)によってつながっており、学生は自身で作成したプログラムにより、IoTデバイス、設備機器、環境制御機器をコントロールできるようになる。
また学内で共有されるさまざまな情報は、建物内のサイネージの他は、PCやスマートフォンなどで伝えられることになる。「大学構内というと、掲示板にたくさんの紙が貼られているイメージがあるが、INIAD Hub1ではそういうことは考えていない。PCやスマートフォンがないと、学校のことが全く分からなくなるかもしれない」(坂村氏)。
プログラミングによるソフトウェア開発だけでなく、ハードウェアとの連携も重視している。そのために3Dプリンタやレーザーカッター、基板加工機、電子計測器などをそろえる「INIAD Makers Hub」や、自動運転レベル4の運転制御をミニチュアカー「T-Car」で試したりできる「INIAD Test Hub」といった設備を準備中だ。坂村氏は「2017年6月ごろまでに準備を終えて、学生には秋から使ってもらおうと考えている」と説明する。
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