米国ベンチャーのエイラネットワークスは、「CEATEC JAPAN 2017」への出展に併せて、新たなソリューション「Phone-as-a-Gateway(PaaG)」を発表した。Bluetooth通信機能を持つデバイスとスマートフォンなどのモバイル機器があれば、そのデバイスを用いたIoTサービスを容易に開発できるという。
IoT(モノのインターネット)プラットフォームを展開する米国ベンチャーのエイラネットワークス(Ayla Networks)は、「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、幕張メッセ)への出展に併せて、新たなソリューション「Phone-as-a-Gateway(PaaG)」を発表した。Bluetooth通信機能を持つデバイスとスマートフォンなどのモバイル機器があれば、そのデバイスを用いたIoTサービスを容易に開発できるという。
エイラネットワークスは、IoTプラットフォームである「Ayla IoTプラットフォーム」を、主にスマートホームやスマートオフィス分野に特化して事業を展開している企業だ。IoTプラットフォームというと、工場の効率化なども含めて全方位に展開するイメージが強いが、Ayla IoTプラットフォームはスマートホームや、量販店やレストランなどの店舗向けのスマートオフィスなど、顧客がコンシューマーと接することが多い分野に注力しており、多くの企業から評価を得ている。
Ayla IoTプラットフォームは、「Amazon Alexa」や「Google Home」などさまざまな音声認識インタフェースと連携可能で、対応する半導体チップも豊富であることなど、IoTデバイスを活用したサービスを始めるためのエコシステムの充実が大きな特徴になっている。同社の共同創設者で中国・台湾担当GMのフィリップ・チャン(Phillip Chang)氏は「IoTプラットフォームの中核に当たるクラウドとのコネクティビティをきちんと確保できるように、Wi-FiルーターやIoTゲートウェイ経由でIoTデバイスを接続する構成が前提になっていた。もし、M2M(Machine to Machine)の世界でメジャーであるとともに、スマートフォンに必ず搭載されているBluetooth通信を活用できれば、IoTサービスを提供する際のハードルは大幅に下がるはずだ。そこで、Bluetoothデバイスとスマートフォンさえあれば、容易にIoTサービスを提供できる枠組みとしてPaaGを開発した」と語る。
例えば、従来のAyla IoTプラットフォームの場合、IoTデバイスと中核のクラウドを接続するにはIoTデバイス側に「Embedded Agent」というソフトウェアを実装する必要があった。Embedded Agentは、クラウドと連携するIoTデバイスの開発プロセスから考えれば、実装するだけでクラウドとつながり短期開発が可能になるので、Ayla IoTプラットフォームの特徴ともいえる。「一からIoTデバイスを開発する場合はEmbedded Agentを活用する場面も多いだろう。しかし、既にBluetooth通信機能を持つデバイスがあるなら、そのBluetoothデバイスをIoTデバイスとして利用できるようにすればいい」(チャン氏)という。
PaaGは、Bluetoothデバイス自体に変更を加えることなく、Bluetoothデバイスとピアツーピアで接続したスマートフォンを経由してAyla IoTプラットフォームのクラウドとつながるようになっている。IoTサービスは、スマートフォンに組み込むアプリによって提供することになる。このアプリについても、レファレンスとなる「AMAP(Agile Mobile Application Platform)」を活用すれば、最新のiOSとAndroidに両対応するアプリを短期間で開発できるという。
従来のAyla IoTプラットフォームは「最短6カ月でIoTサービスを構築できる」とうたってきた。この6カ月もかなり短いが、Paag+AMAPの組み合わせであれば「最短1〜2カ月でIoTサービスの検証プロセスまで持っていける場合もある」(チャン氏)としている。
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