搬送車両や作業員の位置情報を可視化する屋内外位置情報活用サービス製造ITニュース

日立製作所は、自律航法などを用いてGPSの電波が届かない屋内でも搬送車両や作業員の高精度な位置情報を計測、可視化し、データ分析を行う屋内外位置情報活用サービス「Tracking View」の提供を開始する。

» 2017年09月21日 09時00分 公開
[MONOist]

 日立製作所(日立)は2017年9月4日、自律航法などを用いてGPSの電波が届かない屋内でも搬送車両や作業員の高精度な位置情報を計測、可視化し、データ分析を行う屋内外位置情報活用サービス「Tracking View」の提供を開始すると発表した。国内外の車両リース会社や建設会社、製造、流通、社会インフラ分野などに向け、IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Lumada」のソリューションコアの1つであるクラウド型機器保守、設備管理サービス「Doctor Cloud」のオプション機能として提供する。

 同サービスは、自律航法にビーコンと地図情報による位置補正を組み合わせることで、屋内における搬送車両や作業員の位置情報を高精度に計測するシステムを活用。日立が日立産業制御ソリューションズ、サイトセンシングと共同で開発した。

 このシステムでは、搬送車両や作業者に取り付けた加速度や角速度、地磁気の3つのセンサーのデータを、動線や加速、減速、速度、旋回などに変換する技術により、移動距離や方向などを演算する。これに、ビーコンにより計測した絶対位置と、あらかじめ登録した地図情報を組み合わせて誤差を補正し、誤差約3.0m以内の高精度な位置情報を提供する。

 従来方法に比べ、ビーコンは位置補正のための最小限の設置で済むため、システム構築の期間や初期コスト、維持管理コストを低減できる。屋外では、GPS信号を位置補正に利用し、屋内外の位置情報をシームレスにつなぐことができる。

 事業化の第1弾として、日立と日立キャピタルオートリースが協業し、フォークリフトのリース事業と組み合わせて同年10月に提供開始する。リース先で運用されているフォークリフトに搭載したセンサーから収集した稼働情報や屋内外の位置情報などのデータをDoctor Cloudで分析し、可視化する。

 日立キャピタルオートリースでは、そのデータに基づきフォークリフトの最適な配置や適正保有台数を算出する他、資材の配置など現場レイアウトの最適化をリース先に提案する。これらにより、車両の燃料費や保守費などの削減に貢献するとともに、車両のスピード超過や急加速などの情報を安全運転指導や路面レイアウトの改善に活用し、現場の安全性向上を図ることができる。

photo 「Tracking View」のサービスモデル概要

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