大阪大学は、幼児の睡眠習慣に関して、専門家に相談し、指導を受けられるアプリ「ねんねナビ」を開発した。スマートフォンやタブレット端末で使用でき、保護者にとって分かりやすい睡眠教育コンテンツ(動画)も作成した。
大阪大学は2017年8月7日、幼児の睡眠習慣に関して、専門家に相談し、指導を受けられるアプリ「ねんねナビ」を開発したと発表した。スマートフォンやタブレット端末で使用でき、保護者にとって分かりやすい睡眠教育コンテンツ(動画)も作成した。
ねんねナビでは、保護者はスマホを用いて小児睡眠の専門家グループ(小児科医・歯科医・臨床心理士・臨床発達心理士)と双方向的にやりとりし、スモールステップでのアドバイスを繰り返し受けられる。必要に応じて、実際の睡眠のデータ(活動量計)との連携も可能だ。
同アプリは、大阪大学大学院/大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科長の谷池雅子教授らの研究グループが、東大阪市の保健所と共同で計画し、協議を重ねてきた。既に、子どもの年齢が1歳半〜2歳4カ月の10組の親子に同アプリを試行。システムに問題はなく、アプリは使いやすいと好評だったという。また、保護者への1回の指導で、子どもが自ら寝室に向かうようになるなど、全ての子どもに何らかの改善があった。
この結果を受けて、今秋には東大阪市の保健センターで社会実証を開始する。1歳6カ月児健康診査に来所した幼児で、就寝時刻が遅い/睡眠時間が短い子どもの保護者に対し、1年間の研究協力を依頼する。
研究グループは、同アプリによって子供の眠りの習慣改善が見込めるとする。さらに、早寝早起き、十分な睡眠時間の確保などによって子供が機嫌よく過ごせるようになり、保護者の育児ストレスが軽減されると見ている。それに伴い、子供の多動/衝動性の発現抑制が期待できるという。将来的には、機械学習を採用することで同時に多人数への対応が可能となり、自治体での睡眠啓発・指導に役立つとしている。
幼少期の眠りは発達に重要であり、睡眠不足は注意欠如・多動症の危険因子であることなどが分かっている。眠りに問題を持つ子供は潜在的に40〜50%に上るとされるが、深刻な問題と認識されることは少ない。近年は共働き家庭や核家族が増加し、保護者の生活習慣を変える余裕が少なく、保護者の視点に立ったスモールステップでのアドバイスや励ましが求められていた。
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