ダイハツ工業は、軽乗用車「ミラ イース」をフルモデルチェンジして発売した。ユーザーにとって燃費など経済性は「良くて当たり前」となり、走りや安心安全を重視する傾向に移っていることを踏まえて6年ぶりの全面改良を実施した。
ダイハツ工業は2017年5月9日、軽乗用車「ミラ イース」をフルモデルチェンジして発売した。ユーザーにとって燃費など経済性は「良くて当たり前」となり、走りや安心安全を重視する傾向に移っていることを踏まえて6年ぶりの全面改良を実施した。
先代モデル比80kg減の軽量化を図ったが、エンジンの制御を「走りの質」を重視して見直したことにより、JC08モード燃費は先代モデルと同等の35.2km/lとなった。軽量化は運動性能の向上にも寄与している。衝突回避支援システムは、ステレオカメラを使用する「スマートアシストIII」を選択できる。
月間販売目標台数は9000台。税込み車両価格は84万2400円から。
ミラ イースは「第3のエコカー」として、2011年9月当時はガソリンエンジン車として最高の燃費30.0km/lを達成し、80万円を切る入口価格で発売した。「低燃費・低価格・省資源」を武器にしてきたが、2015年以降になると「燃費には魅かれたが、走り出しの力不足が不満」「低価格は魅力的だが、装備や質感が落ちるのは嫌だ」というユーザーの声が増えていったという。燃費が重視されない傾向は、2016年の三菱自動車の燃費不正とは無関係としている。
ダイハツ工業は、ユーザーの声を出発点としたクルマづくりを「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」の原点にすることを目指し、ミラ イースの全面改良を実施した。なお、新型ミラ イースはDNGA採用モデルではなく、2020年までに第1号車を発表したいとしている。
車両の軽量化やユニット単位の改善、空力の向上によって稼いだ燃費の“原資”は走行性能に充当した。車両重量は先代モデルより80kg軽い650kgだ。
軽量化に当たっては、「ムーヴ」から導入している軽量高剛性ボディー「Dモノコック」を採用。サイドアウターパネルは全面を厚板ハイテン材とし、構造断点を無くすことによりボディー全体で力を受け止めるボディー構造だ。今回は、補強材の配置や結合構造の合理化によって剛性の確保と軽量化を両立した。
足回りでは、「国内最軽量」(ダイハツ工業)となる13インチのタイヤとスチールホイールを採用した。樹脂部品も複数の部位で使用する。樹脂バックドアはダイハツ九州の大分(中津)工場に生産工場を設けて内製化した。
パワートレインはKF-VE型エンジンとCVTを組み合わせる。エンジンは、アクセル開度に対してリニアな加速を実現したとしている。発進時や追い越し時の加速を大幅に向上した。
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