ここからはホール4のLife/Office/SocietyとElementの両ゾーンの展示を紹介する。注目を集めていたのが金子製作所だ。リアルタイムで表示できる「多視点裸眼3D内視鏡システム」は、3Dメガネなしで、モニターの前方150度の範囲にいる人々に3D映像を見せることができる。レンチキュラー方式の3Dディスプレイを使用しているが、最も重要なのは3D表示に必要なデータをリアルタイムで作り込むアルゴリズムを核とした3Dモジュールだという。
Elementゾーンには、アルプス電気、TDK、村田製作所、ロームといった日本を代表する半導体/電子部品メーカーが出展していた。

アルプス電気の展示(左)。センサーとモーターにより、さまざまな液体をコップに入れたり出したりする感触を体験できる。TDKはIoTに必要な超小型のBluetooth通信モジュールや電源モジュールを展示(右)(クリックで拡大)
村田製作所は隠し玉の初展示を公開(左)。哺乳瓶のミルクを最適な温度(展示では39.5℃)になるタイミングを知らせる「スマートミルクプロジェクト」だ。ベビー用品で知られるピジョンの協力を得ている。ロームは、ドイツのコイルメーカーであるウルトエレクトロニクスと開発したワイヤレス給電の開発キットを展示した(右)。欧州で限定販売されている製品になる(クリックで拡大)東芝はIoTプラットフォーム「SPINEX」をアピールした。事例の1つとなるのが、蓄電池を活用した分散電源への適用事例になる。再生可能エネルギーの最大の課題は、その発電量が不安定なことだ。そこで、分散している電源をITでつなげて電力を融通する「Virtual Power Plant」にすれば課題解決につなげられる。
2016年後半には、横浜市、東京電力と協力して、横浜市内の18の小学校に容量10kWhの充電池「SCiB」を設置。緊急用の電力を維持しつつ、電力取引市場を予測して売買電を行う実証実験を実施。そのITインフラになったのがSPINEXだ。
自動運転技術を中心に出展した三菱電機だが、展示ブースの一部を使って、スマートファクトリーのオープンプラットフォーム「FA-ITオープンプラットフォーム」を展示した。ホール12ではファナックが、同じくスマートファクトリーのオープンプラットフォームである「Field System」を展示していたので、ジャパン・パビリオンの端と端で、日本を代表するスマートファクトリーのオープンプラットフォームが展開されていたわけだ。
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