カジュアル志向がSUVブームをけん引、新型「スバルXV」もスポカジに車両デザイン

SUBARU(スバル)はクロスオーバーSUV「XV」を全面改良して新モデルを発表した。2017年5月24日に発売する。デザイン面では従来モデルで好評だった「スタイリッシュなのに武骨」なコンセプトを維持し、都会的な「スポカジスタイル」を実現した。

» 2017年04月07日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
新型XVとスバルの吉永泰之氏 新型XVとスバルの吉永泰之氏(クリックして拡大)

 SUBARU(スバル)は2017年4月6日、クロスオーバーSUV「XV」を全面改良して新モデルを発表した。2017年5月24日に発売する。税込みの小売希望価格は213万8400円から。月間販売目標は2200台。

 ユーザー層を広げるため、直噴化した排気量2.0l(リットル)の水平対向4気筒ガソリンエンジンに加えて、同1.6lのガソリンエンジンを用意した。安全面では、歩行者保護エアバッグと運転支援システム「EyeSight(アイサイト) ver.3」を全車に標準装備とした。また、「インプレッサ」から採用を始めた次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」を採用して操舵応答性と操縦安定性を高めている。

 デザイン面では従来モデルで好評だった「スタイリッシュなのに武骨」なコンセプトを維持し、都会的な「スポカジスタイル」を実現した。

アイサイトは全車標準装備(左)。ユーザー層拡大のため、排気量1.6lのガソリンエンジンを設定した(右)(クリックして拡大)

スタイリッシュと武骨の両立

 2012年に発売したXVは「アクティブな生活の道具としてユーザーから評価を得ていた。スタイリッシュなのに武骨なデザインも好評だった」(スバル 商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャーの井上正彦氏)。また、本格的なSUVとしてアウトドアで使うだけでなく、街乗りでも活用する傾向があるという。

 こうした使われ方を受けて今回のフルモデルチェンジでは、日常生活で使いやすく街中でも映える側面と、アウトドアで行動範囲を広げるSUVらしさを両立するため、スポカジ(※1)スタイルを追求した。

(※1)スポーツ&カジュアルの略。実用品としての性能と品質を持ちながら、日常でも使いやすいファッションやアイテムを表現する言葉。

新型XVの外観デザイン。「スポカジ」を狙った(クリックして拡大) 出典:スバル

 井上氏は「クルマの上半身に洗練さを、下半身にSUV感を持たせた」と説明。キャビンはシャープさと躍動感を実現した造形で、流麗な空力フォルムとした。これに対し、ロワーボディーは力強い塊感と機能感を表現。また、フロントバンパーからホイールアーチ、サイドシル、リアバンパーへと連続してつながるマットブラックのライン(クラッディング)によって、SUVらしさを演出している。

 アルミホイールも、スポカジでいかつい新デザインを採用した。フロントグリルには周囲を強固に固めて中を守るような構造を採用し、タフなイメージを表している。

新型XVのデザインスケッチ(左)。オレンジ色のステッチを配してインテリアもスポカジに(中央)。フロントグリルはバーの周囲を強固に固めたデザイン(右)(クリックして拡大) 出典:スバル

なぜ世界中でSUVブーム?

 スバル 代表取締役社長の吉永泰之氏は、SUV市場について「欧米や中国、日本でSUV市場が広がっている。さまざまな地域で、フォーマルなものよりも、カジュアルなものが好まれるようになったことが理由として考えられる。クルマもこの傾向でSUVが選ばれているのではないか。その中で、安全性能の高さやデザイン、ボディーカラーなどスバルらしさを武器に競合モデルと戦っていきたい」と説明した。

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