2つ目のデモはオフィスのOA端末から侵入した攻撃者がHMI端末を書き換えて画面操作を不能にするというもの。工場のネットワークの脆弱性をついて侵入し、画面操作が行えないため、工場内で大事故が起きる可能性や、ランサムウェア(身代金を要求する不正プログラム)のように、金銭を要求されるような被害が想定される。
上田氏は「ここ1、2年で製造現場におけるセキュリティ対策の導入は進みつつある。大きく分けて2つの意識が変わってきたといえる。1つは経営陣の反応で、サイバー攻撃による経営的なリスクとそれに対する費用への危機意識が高まってきたことがある。もう1つが製造現場の意識である。スマート工場化が進む中で現場にとっても『止めない生産ライン』を作るにはセキュリティ対策が必要という認識に変わってきた。IT部門と製造現場が協力してセキュリティ体制を作るというような仕組みが徐々に広がってきている」と現状の動きについて述べている。
さらにセキュリティ技術についても「現場作業の邪魔をしないセキュリティ手法が確立されつつある。今回のデモシステムでも『Deep Discovery Inspector』はミラーポートで構成されており、通常の制御のデータ流通については影響を与えない仕組みをとっている。現場の邪魔をせずにセキュリティを確保する成功の形のようなものが徐々に見え始めている」と上田氏は語っている。
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