「倒れそうだからいい」豊田自動織機が2輪走行の人協調運搬ロボット出展Japan Mobility Show 2025

豊田自動織機は、「Japan Mobility Show 2025」で、2輪で走行する人協調運搬ロボットのコンセプトモデル「LEAN」を出展した。

» 2025年11月06日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 豊田自動織機は、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)で、2輪で走行する人協調運搬ロボットのコンセプトモデル「LEAN」を出展した。

photo 豊田自動織機がコンセプトモデルとして出展した人協調運搬ロボット「LEAN」[クリックで拡大]

 人協調運搬ロボットのコンセプトモデルであるLEANは、モノを持ち上げて運ぶ時の重心の変化や倒れる力を推定し、それを均衡させる力を車輪にかけるように制御することで、2輪ながらも安定した走行ができる。2輪で立っているため、常にバランスを保つように制御を行っており、障害物に当たったとしても“受け流す”ような動きが可能だ。また、2輪の利点を生かし、人と一緒に荷物を持って運ぶこともバランスをとりながら行える。

photo 2輪走行であるため、ぶつかったとしても力を“受け流す”ことができ、安全だ[クリックで拡大]

 日本の工場では、人の移動のみを想定し、通路が狭い場合が多い。そのため、一般的なAGV(無人搬送車)やAMR(自律搬送ロボット)では通れない場合がある。また、狭いからこそAGVと人とぶつかるケースもあり、ぶつかった際の配慮など、安全面でも工夫が必要だ。「LEANは2輪走行であるため、そもそもの専有面積が小さく狭い通路でも通り抜けられる。また、ぶつかった際も力を逃がすので、大きな事故にはつながりにくい」(担当者)としている。

 今回はコンセプトモデルで製品化の時期などは決まっていないが「豊田自動織機内の工場で実証を進めている。従来はコンベヤーで搬送していたような狭い生産ラインの一部をLEANに置き換えたことで、生産性が向上したケースなども確認できている。定期的に大量のものを運ぶにはAGVなどの方が適しているが、AGVのステーションから製造ラインまで10m以内の搬送などに効果を発揮する」(担当者)としている。

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